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ANGERSWING#60

演劇のやり方をすっかり忘れちゃって、日々日々「あれ〜、こういう感じで良いんだっけ?」「これって妥協になってしまっている…?」「いや、もうここまで来たら手放してみちゃおう!」とかとか色んな思考が脳みそを飛び交っている。

演じることから離れていたこの2年、ちょっとした短いシーンをインスタントに演じるみたいなことはやったりしたけど、長期間しっかり向き合って、深めていくみたいなことが久しぶりすぎて、どんな要素が作品を良化させるのか迷っている。

迷って、悩んで、たまに光明が見えて、手放して、また迷ってという永遠の螺旋階段を今回の相方と共に登っている。相方は佳乃香澄、いや、アナスタシア。本当、バディって感じ。佳乃さんの(雑多な)気遣いと(雑多な)思いやり、そして優しさに救われている。感謝9割10割。いつもありがとう。

はてさて。私の話。

私の出発地点はさして変わらないのだけど、その旅路に微かな即興感があって、「あれえ、こんな感じだったっけ〜」となる。
別にミザンスに迷ったりしているわけではないし、基本は相手と向き合うということしかしていないのだけど、不思議な迷いがあるからその度に内に入ってしまう。そして地図を思わず確認してしまう。別にその地図が正解って言われてるわけではないのに。自分で勝手に正解を決めてしまっている。あたかもゴールへの道のりが一本しかないかのように思っているみたいだ。
そして自意識を手放すみたいな時間が生まれる。

もっと戯曲に書かれている言葉たちを信じればいいんだよね。
余計なことをしなくても、言葉をただただ読んでいくだけで人の心を動かしうる言葉たちなのだから。
戯曲を信じれば、地図を確認せずとも、シンプルに目の前の相手とやり取りをするだけで前への推進力を得られるはず。はず。

まあ、初日までまだ2週間ちょっとあって、まだまだたくさん悩んでいいし、たくさん試してもいい。いやいや、むしろたくさん試した方がいい。悩む必然性はないかもしれないけど。でも向き合い続ける必要はある。

なんだか、そろそろ家族について考える時間になってきたような気がする。
家族って本当に色々な形があるし、各家庭において関係性の在り方は違う。
家族に“愛”を表明する機会ってほとんどないけど、『ANGERSWING』が描く時間は家族に“愛”を表明する時間なのかもしれない。
別に自分からドラマを大きくするつもりはないけど、でも演劇なのだから描かれている日は普通の日ではなくて、やはり非日常的な、外から見ればドラマチックな一日が描かれている。

でも本人たちからすれば、その一日をただ必死に生きているだけだし、“愛”を表明する日なんて思っていないだろうけど、後から思い返せば「ああ、あれは愛を表明する日だったのかもしれない」って思い起こす日がいつか来るかもしれない。
『ANGERSWING』の後日談となるような世界線の話。

でもやっぱり必死に、懸命に生きるだけだよ。
わたし、日頃から必死に、懸命に生きてるもの。
きっとみんなそうだよ。

それをさ、確認しにきてほしいヨ。

<日本劇団協議会主催>
日本の演劇人を育てるプロジェクト
新進劇団育成公演

劇団Q+
『ANGERSWING /
アンガーズウイング・アンガースウィング』
ー家族の庭、その香りは秘密をささやくー

脚本=弓月玲 原案・演出=柳本順也

◎日程
2024年7月3日(水)〜 7月7日(日)

【公演スケジュール】
7/3(水)W 19時~
7/4(木)S 19時~
7/5(金)W 14時~/S 19時~
7/6(土)S 13時~/W 18時~
7/7(日)W 12時30分~/S 16時30分~

【チケット】
前売一般 = 4,500円
当日一般 = 5,000円
U22= 3,000円

◎劇場
下北沢 駅前劇場

⋱チケット発売⋰
2024 年 5月 1日(水)予約受付開始!

●ご予約URL
https://act-pit.com/events/view/?eid=0kDlB28a

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