見出し画像

ANGERSWING#15

適切な宣伝ってなんなのだろう。
どうしたらお金と時間を使ってでも見たいと思ってもらえるコンテンツになるのだろう。

わたしの生活の中でエクストラな支出と言えば、しいたけ占いの月刊射手座だと思う。月額500円。
でもこれは毎週のしいたけ占いを無料で見せていただいているのだから、そのお礼に月刊射手座を購入しようという気持ちにさせられているという話だ。
コンビニでトイレをお借りする代わりにガムを買って出ていくみたいなやつに近い。

映画だと興味のある題材とか、魅力的な出演者とかにチケット代を払って、時間を割いて観に行く気になる。
でも演劇と映画のビジネスモデルは明らかに違うような気がしていて、映画は一つの作品を撮ってしまえば何度でもどこでも再生できる。そうなればチケット代は安く抑えられるし、集客も見込めるし、制作費だってかけられるようになる。大胆な宣伝をすることだってできるのかもしれない。演劇に同じことをしろというのは難しい感じはする。
映画にちょっと近いのは劇団四季とかテント芝居とかだろうか。

第一段階としてまず「面白そう」と思ってもらえなければ何も始まらない感じはしている。
何を面白いと思うかは人それぞれの主観で、一つの発信によって誰かに響くかどうかというのは見当もつかないけど、少なくとも「自分はここが面白いと思う」というのを明確に示さなければ誰かの「面白そう」には辿り着けないと思う。

今回関わる作品に関して、今のわたしはまだ自分なりの「これが面白い」に辿り着いていない。まだ戯曲も読んでいないからね。それは当然。
今の段階で「これが面白いです。だから観にきて」なんて言うのは嘘すぎて、逆に観に来てくれるようになるかもしれない。

今回、ビジュアル撮影をしていただいて本当にありがたいなと思った。
やっぱり作品の第一印象はフライヤーデザインになるだろうし、少なくともそこに関係者各位の好きがちゃんと詰め込まれている。
それを面白いと思ってもらえるかどうかは別として、「自分たちはこれが魅力的だと思います」の表明をしていただけるのはとても助かる。ありがたい。

演劇の宣伝って漠然としたものが多くて、その漠然としたものが世間に飽和しまくっている感じがして、それでは観に行くという選択をする前に何を観に行くのかという点で放棄してしまうというか、どれも同じ作品を宣伝しているのかなと思うくらいにのっぺりとしている。

稽古が始まって、どれだけの余裕が自分にあるか分からないし、わたし自身ものっぺりとした発信をしてしまうかもしれないけど、できるだけ興味深いものを宣伝として発信し続けたい気持ちがある。

多分、ちゃんと労力をかけないと面白そうと思ってもらえるところに辿り着けないんだろうな。

自分にとって何が面白いのか、それをちゃんと見つけるところから始めるヨ。

<日本劇団協議会主催>
日本の演劇人を育てるプロジェクト
新進劇団育成公演

劇団Q+
『ANGERSWING /
アンガーズウイング・アンガースウィング』
ー家族の庭、その香りは秘密をささやくー

脚本=弓月玲 原案・演出=柳本順也

◎日程
2024年7月3日(水)〜 7月7日(日)

◎劇場
下北沢 駅前劇場

⋱チケット発売⋰
2024 年 5月 1日(水)開始

https://www.gekidan-q.com/

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?