コロナウイルス騒動に見る感染症対策(ダイヤモンドプリンセスへの対応)

あいも変わらず、マスゴミは政府の対応を批判するばかり。なので、素人ながら感染症対応について考察してみる。今回はダイヤモンドプリンセスへの対応について。

ダイヤモンドプリンセス乗員乗客の上陸拒否はしたものの、三千人以上の検疫対象者を抱える事になり、他のクルーズ船は入港拒否に至った。武漢からの帰国者の隔離のあれこれの最中だったので、三千人以上を上陸させて隔離する事は最初から選択外とせざるを得なかった。

ダイヤモンドプリンセスはアメリカに本拠地を置くカーニバルコーポレーション傘下のイギリスP&O社が所有する外国船籍のクルーズ船である。外国船籍のクルーズ船ゆえに受け入れ当初に混乱があった。

船内は原則として、その船が登録されている国の法律が適用される。公海上や日本の領海にいる時もである。港に停泊していたり、湾内に入るとその国(今回は日本)の法律が適応される。ただし、入港中も船内の警察権は船長が持つ。と、かなり複雑だ。

入港を許可したので日本の法律が適応されるが、イギリスにも配慮が必要となる。入港許可を取り消し、東京湾を出ればそこはイギリスだ。つまり、武漢からチャーター便で帰国した人よりややこしい立場にいる。なにより乗員乗客の国籍も様々だ。

そして乗客の検疫中の船内での行動も少し考える必要が有る。情報不足とは言え、検疫中はそれまでの豪華クルーズ船と同じサービスは受けられない。絶対に。乗客の要求でデッキの開放が行われたが、人と時間をもう少し絞る必要が有ったと考える。この判断は誰が行ったのかは今後問題となるだろう。

話が変わってD-MATが投入された。D-MATは自然災害や、大規模の事件事故等の外科的対応を中心に活動して来たが、感染症への対応は今回が初めてであろう。しかも、活動は外国船籍の船内で狭い空間だ。最適だったかと言うと少し疑問を覚える。ここに、厚労省等の職員等が絡み混乱を始める。神戸大学感染症予防内科教授の岩田健太郎氏の告発が全てでは無いが、経験不足が原因の混乱と齟齬が有ったのは間違いなさそうだ。(ただし、岩田氏も水分補給を減らしたら少し咳が出ていたと証言していたり、その行動の一部には疑問がある)

では、どの組織が乗り込むべきだったか。恐らくは、陸上自衛隊の中央特殊武器防護隊(以下 陸自防護隊)が日本で唯一対応可能だろう。地下鉄サリン事件で出動し、世界で唯一人口密集地での活動実績がある。ただし、医療行為は出来無いので、D-MATが陸自防護隊の指揮下で医療行為を行う事になる。船内消毒や岩田氏の指摘するゾーニング、船長への助言等を陸自防護隊が行い、その監督下で他の要員が職務を遂行する形である。船内はホットゾーンだ。D-MAT隊員はじめ、船内を出入りする人の感染を防ぐ事は最優先されるが、専門知識が無いと不可能である。船外に活動拠点を作る事も陸自防護隊なら可能となる。陸自防護隊の出動が検討はされたが、早い段階で却下されたと推測する。野党は桜では無く陸自防護隊の出動が検討されたのか、誰が反対したのかを追求しなければならないが、そもそも自衛隊反対派が大半なのでなにもしないのであろう。

もう一つ、D-MATの指揮権は都道府県にある。役人とは既得権を侵害されるのを極端に嫌う。今回の様な船内検疫でのD-MAT運用に関して新たな立法措置が必要と考える。

そしてD-MATの失態と言えるのが、和歌山から派遣された男性看護師が感染した事だ。新幹線等の公共交通機関を使って帰った筈だ。近県から自家用車を使って来れるチームに限定すべきだったし、数日は移動を制限し、ホテルか公務員宿舎等に留め置く措置が必要だったと思う。

そして、イギリス政府及び、船主の顔が全く見えてこない。乗客にはイギリス人も居たし、イギリス軍は第一次世界大戦から対生物化学兵器に関する経験を積み上げている。(日本は第二次世界大戦の敗戦で一時途絶えた)傷病船(病院船)も1隻では有るが運用している。。そして、一時は太陽の沈まない国として、クルーズ船に対する知見も豊富である。日本政府に有益な情報提供と助言は出来るはずだ。また、船主は船長を通して乗員乗客の安全に責任を負う必要があり、船長への助言命令や、生活物資調達、入院した人へのケア、乗客の食物アレルギーや既往症、処方薬の情報収拾等すべき事は多い。なにより、船内の構造や設備に1番通じているのも船主のP&O社である。しかしP&O社は旅行代金の全額返金と、次回乗船時の料金割引を表明した事だけである。日本なら世論が許さないが、世界標準はそんなモノかもしれないが…

事態が収拾した後、外交のテーブルに乗せる必要が有るとは考える。

全体として、方向性は他に選択肢が無く仕方が無い部分がある。カンボジアの様に問診と検温だけで下船を許可した事よりはるかにましだ。ただ、備えが無く、対応本部から現場に至るまで経験不足による判断ミスがそこかしこに有ったと言える。

今回の件で学んで備えてほしいと思う。

最後に、お亡くなりになった方のご冥福をお祈りしたい。

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