産後鬱とは

友人が、育児ノイローゼ気味である。

出産後の入院を終え、退院してからは私のLINEがひっきりなしに鳴る。

「赤ちゃんってこんなに泣くの?」「泣きすぎて寝られない」「抱っこしてるのいい加減うんざり」「うるさいからひたすらミルク飲ませてるけど、規定量以上でいいの?」

できる限り、彼女の気持ちを否定せず、同調と共感の言葉を返し続けているのだが、先日ついに

「赤ちゃんがかわいくない」「私みたいなポンコツは赤ちゃんを産んじゃいけなかったんだ」「今はもうずっと、赤ちゃんのお世話は、全部おかあさん(実家の母)がやってる」

といい出した。コレはまずい。新生児なんて、カワイイだけの生き物。母親は、母と子としてのコミュニケーションなんてまだまだ先の話で、母はたんに「いきものがかり」。目の前の小さな命を健やかに生かしていくために、ミルクを飲ませ、オムツを替え、眠らせる。出産から約2ヶ月は、それの繰り返し。だが、とにかくカワイイ。ただひたすらにカワイイ。だから頑張れる。誰かの力を借りながら、頑張っていこうと思える。鶏ガラのようだった身体に少しずつお肉がついてきて、赤ちゃんらしいぷにぷにの手足になっていく様子だけを楽しみに育てていく。そんな2ヶ月。

泣き止まないし、おっぱいは痛いし、悪露はとまらないし、眠れないし、社会から断絶されたような孤独感が日になんども襲ってくるし。辛くて辛くて、永遠のように感じる日々。

私も泣いた。ずいぶん泣いた。泣き止まないわが子を抱いて泣いた。

だけど、赤ちゃんのお世話を嫌だと思ったり、かわいくないと思ったことは、一度もなかった。だから、はじめての育児に翻弄されて精神的にズタボロになり始めて履いたものの、育児ノイローゼでも、産後鬱でも、なかったのだと思う。

彼女は、母の産後一ヶ月検診で、「産後鬱である」という確定的な診断が下ったそうだ。重ねて医師から「どうしても健やかに育てられないのなら、乳児院の力を借りることも視野に入れるように」という言葉があり、それに対しても相当なショックを受けたという。

もしも、彼女が本当に赤ちゃんとの暮らしが苦しいのなら、乳児院に入れる前に、私が赤ちゃんを預かってあげたい。その間に、彼女の気持ちが整って、もう一度赤ちゃんと一緒に暮らしたいと思うときまで。数日だって、数ヶ月だっていい。うちの姉妹と一緒に、小さな赤ちゃんを育ててあげたい。心から、そう思っている。

産後鬱の友人に対して、どのような声掛けをし、どのような力添えをすることが有効なのか、少し調べてみたいと思う。

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