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活動銀河核(Active Galactic Nucleus)

https://esahubble.org/wordbank/active-galactic-nucleus/

活動銀河核(AGN:active galactic nucleus)と言うのがあります。まあ、読んで字の如しで、銀河の中心核が、活動しているのだろうと想像はつく。

銀河の中心、それもごく狭い範囲が、極めて明るく輝いている(活動している)状態のものを言う。

何を言っている、銀河の中心は何処も明るいではないか。
なにを今さら、取り立てて言わなければならない。
と思われるかもしれない。

いや、取り立てて言わなければならないのです。
なぜなら、その明るさ、なんと銀河のその他の部分の明るさを全部足したものを凌ぐほど明るいのです。
あまりに明るすぎて、銀河本体が見えなくなるくらいに明るい。

夜ビルの屋上から、照らされる強力なサーチライを直視した場合、サーチライトの光しか目に入らず、建物が見えなくなる、そんな感じだ。いかに、明るいか、想像できると思う。

だから、活動銀河核を持つ銀河は、特別扱いされるのです。そこで、この活動銀河核を持つ銀河のことを、活動銀河ということにしている。

では、活動銀河核では、一体何が起きているのか。

銀河の中心に巨大なブラックホールがあり、そこに大量のダスト(星間物質)が、吸い込まれている。
その吸い込まれる時に、ダストは、降着円盤という、ブラックホールを中心とした、渦巻きを作る。

この渦巻きは、強烈なブラックホールの重力でかき混ぜられ、そのため、ダストは互いに摩擦しあい、なおかつ重力エネルギーを放出する。

このような状態で、ダストを構成する、分子や原子は、エネルギーを放出する。
その放出するエネルギーの量は、核融合反応の数十倍になるという。その結果、活動銀河は、激しく輝くことになるのだそうです。

ほう、それはすごい。
じゃあ、そこでは、核融合以上の何かが起きているということか。そうだろう。

何が。
分からない。
分からないというのは、私が分からないということで、降着円盤のエネルギー発生の仕組みを理解できていないのだ。

ここらへんのメカニズムは、おいおい勉強していくとして、とにかくえらいことが起きているということだけは分かった。

この活動銀河は、いくつか種類がある。
有名なところでは、クエーサー

また、ブレイザー(blazer)というのもある。
これは、降着円盤から吹き出すジェットや光が地球に向けられているもの。

他にセイファート銀河というのもある。
中心に非常に明るい領域を持ち、この明るさが1年以内の期間に変化する。このことから、活動銀河核は、一光年以内の大きさであろうと、推測されている。

いずれも、銀河中心に巨大な、超巨大なブラックホールがあり、その降着円盤から、猛烈なエネルギーが放出されていることには、変わりはない。


ところで、この活動銀河、非常に明るいことから、遠くにあるものでも見える。
1996に発見された、クエーサーは、90億年の距離にある。

というより、クエーサーは、遠いところにある。
・・・?

そうなのだ。90億光年なのだ。
90億年ということは、今見えているクエーサーの姿は、90億年前の姿ということだ。

繰り返すが、クエーサーは遠いところにある。
つまり、クエーサーは、銀河が誕生して間もない時、新しい時にできるのだ。
(宇宙は誕生から、138億年経っていると考えられている。)

銀河が誕生して間もない頃は、中心のブラックホールの周りに大量のダストがある。それをブラックホールが、猛烈に貪り食うのだ。その時、クエーサーができる。

しかし、時が経つにつれて、ブラックホールは周りのダストを食べ尽くしてしまい、もはや巨大な降着円盤はなくなる。
そうなると、活動銀河核は、その活動を休止して、落ち着いた普通の銀河になる。

と、考えられている。

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