Oumuamua 「遠方からの使者」
Oumuamua(1I/2017 U1)
https://apod.nasa.gov/apod/ap171122.html
Oumuamua 、ハワイ語で「遠方からの使者」または「斥候」という意味になる。この岩につけられた名前である。
この岩、長さ100〜1,000メートル、その幅と厚さは両方とも35〜167メートル(400メートルという説もある)と推定されている。つまり、最大、直径167メートル、高さ1Kmの円筒状の形をしていることになる。
へえ、宇宙にあるものは、球体に近いものが多いのに、長細い岩なんだな、ちょっと珍しいな。・・・で、すまなかった。
それは、この岩の軌道。
なんと双極線なのだ。
だから?
そう。
円や、楕円は閉じているから、太陽系の中で移動している。
しかし、双極戦となると、太陽系から離れてしまうのだ。
だから?
つまり、この岩は、太陽系の外から飛んできたことになる。
太陽系外の天体なのだ。この岩は。
だから・・・
もういいから、聞いてくださいな。
意外に思うかもしれないが、太陽系外の天体が太陽系に侵入したことを人類が観測したのが、これが初めてなのだ。
それに、この天体、ちょっとおかしい。
初めは、彗星かと思われたのだが、彗星特有の特有の尻尾が無い。
彗星の尻尾は、氷でできた彗星が、太陽に近づくにつれて暖められと、ガスを発生してできる。
これができない。
ならば、これは、岩だということになった。
つまり小惑星だ。
まあ、ここまでは、太陽系の外からはるばるやってきた、小惑星という、ちょっとロマンティック出来事だった。
しかし、この小惑星、太陽から離れるにつれて、なんと、
加速し始めた。
それが?
太陽に近づく天体は、太陽の引力に引かれて、どんどん加速する。
反対に、太陽から離れる時は、太陽の引力に引かれて、減速する。
これが、普通。というか、そうなる。
しかし、これは加速し始めた。
自然法則に反する。
・・・・・
自然のものではない。人工物だ。
つまりは、エイリアンの宇宙船だ。
と、大騒ぎになったのです。
それも、アマチュアの宇宙好きがいうだけでなく、天文学の専門家が、宇宙船に間違いないと言い出した。
もっとも、その後NASAは、これは人工物では無い、自然のものだと、言っている。また、自然のものでも、こういう動きをするメカニズムは考えられると説明している。
そのメカニズムは、太陽風の圧力を受けて加速したという。
帆船が風を受けて動くようなものと思えばいい。
しかし、それには、この岩が軽くなくてはいけない。
だから、この説は、Oumuamua は穴だらけ、つまり多孔質の物質であろうと言っている。十分な穴があれば、つまりスカスカなら、軽くなるので太陽風を受けて加速するという。
なるほどと思う。
が、今度は、逆にそんなものが宇宙に転がっているのかという疑問が湧いてくる。スポンジか、金網のような形の素材で、直径167メートル、高1Kmの円筒形の物体が。
だいたい、宇宙を支配している絶対的な力は重力だ。
重力は、球形を好む(なんか深淵な哲学の格言みたいだろう笑)。
こんな円筒形(写真のイメージでは葉巻だけど)、しかも、金網のようにスカスカな岩が自然にできるのか、どうやって。
という疑問。
NASAにしてみれば、エイリアンの宇宙船です!
なんて言いたくないのはわかる。
大騒ぎになるものね。
私は、エイリアンがなんらかの意図を持って、太陽系に侵入したのなら、もう少しウロウロして、観測とか、他のことをするのでは無いかと、思ったりもする。こんな慌ただしく、フライバイだけしてさっていくような事はないのでは無いかと。
ただ、他の太陽系に初めて探査船を送るときは、そんな余裕はないということもある。現に、木星に探査船を最初に送った時は、フライバイをして終わりだった。あちこちウロウロさせるには、燃料が足りないからだ。
だから、フライバイをしてさようならをするから、異星人の探査船ではないとは一概には言えないとも、言える。
結局、NASAはエイリアンの宇宙船説を否定したけど、そうなのかどうか、はっきりとした決着はついていない。
ちなみに、写真のOumamuaの形、色は、観測データから、こういうものだろうという想像図で、直接写真に撮られたものではない。
何せ、小さすぎて望遠鏡では光の点にしか見えないのだ。
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