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膝を痛めない

膝を痛めている人は、結構いると思う。
その原因はというと、膝の関節の間の軟骨等がすり減ってきているからだとか言われる。

レントゲン写真とか見せられると、確かに変形しているように見えたりする。

でも、違うと思う。
少なくとも、膝の痛みの大部分は、骨は関係ないと思う。
骨ではなく、膝周辺の筋肉や靭帯の問題であろうと思う。



どうしてそんなことが言えるかというと、体験からだ。
私は、指圧の心得が多少ある。

その技術を持って、手術するしかないとか、何とか酸やコラーゲンを注入するしかないという人の膝を手当てすると、痛みが消えるからだ。

骨の問題であるなら、指圧なんかで痛みが消えるわけがない。指圧で骨の形を変えたり、軟骨を作り出したり出来るわけじゃないもの…………でしょう。

膝の周りを取り囲んでいる靭帯、その先の筋肉の緊張を解くと痛みは消える。それは、膝の痛みが、靭帯や筋肉の痛みだからに他ならないではないか。

ただ、膝の痛みは厄介だ。
軽いものは、10分も手当てすれば痛みは消える。
しかし、慢性化していたり、しつこいものは、1〜2時間かかる。

手当てする私もだるいが、手当てされる相手も、こんなんで治るんかいと半信半疑のまま、私に言われる通り、体を動かさなければならない。

痛くはないけど、だるい。

その上、痛みが消えても、数時間後にはまた痛み出す。
これは、私も不思議だった。
腹痛なんかは、大体治ったらそれで終わり。

なのに、膝とか腰はまた痛くなる。
そこで、
最初私は、筋肉が全身つながっているのが原因かと思った。

筋肉が全身をぐるりと取り囲むように、繋がっている故、一箇所の不具合が他の場所にも影響を及ぼしているのだろうという考えだ。

だから、一箇所を治しても、他に影響が出ている部分も治さないと完治しない。…………のじゃないかと。

一般に、筋肉というのは、関節を跨いで骨と骨を繋ぎ動かすものだと思われている。確かにそうで。
しかし、実際は、関節を越え次の関節その次と、全身つながっている。

それも、腰で交差し丁度メビウスの輪のように、体の表裏を通って、最後は出発点である筋肉の始点に戻ってくるような繋がり方だ。

私は、このことを数十年前指圧を習った時に、経絡のつながり方として教えられた。

この辺りの筋肉(筋筋膜経線)について興味のある方は、「アナトミー・トレイン……トーマス・W・マイヤース著」という本があるから読んでみたらいい。
(結構難しい。私も必要になったら開いて読む程度。)

確かにそれもあるだろうと思う。
指圧では、脚のツボが背中や腕に関連していることがある。
理論ではなく、実際脚の一定部分が痛いと、背中や腕の一定の部分も痛くなる。

しかし、そもそも、これは体の使い方の問題ではなかろうかと思うようになった。
体の使い方が間違っているので、一度治っても、また同じように筋肉・腱を傷め、痛みが再発するのではないかと思うのだ。

膝が痛いというのは、膝の周りの腱や筋肉が痛いのだとすると、これらの腱や筋肉を痛めていることになる。

どうしてこれらの腱や筋肉が痛むのかというと、無理な力が加わったからだ。

もう一度骨格の構造を見てみよう。

脚というのは、脛骨の上に大腿骨が乗っている構造になっている。直立しているときというのは、この2つの骨が地面に対して上半身の重みを立てた棒のようにして支えている。

もし、上半身の重みが全て、骨の長尺方向に加わっているなら、筋肉の力は要らない。

骨に横向きの力が加わったときは、骨を長尺方向に戻さないと倒れてしまう。この時、筋肉の力が必要になる。

この筋肉(筋肉群か)に過大な力が加わると、筋肉が傷み、痛みが生じる。

これを回避するには、2つの方法がある。
1、 筋肉を鍛える。
2、 筋肉に負荷をかけないようにする。

筋肉は鍛えた方がいい。
しかし、その前に、筋肉に不必要な力が加わらないようにすべきだ。

つまり、脚の骨に垂直方向以外の力が加わらないようにすべきだ。

具体的には、膝と足先の方向を調節して、常に脚の骨に加わる力が骨の長尺方向になるようすることだ。

歩く時(走るときはもちろんだが、膝が痛いと走れない。この点を注意して歩くといいと思う。

実際私は、膝を痛めたとき、この方法で治したし、普段から意識して脚を使うことによって、膝(膝周りの筋肉)を傷めないようにしている。


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