父とわたし。
小学生の頃、父から自転車の乗り方を教えてもらった。
補助輪をはずして乗れるように。
補助輪をはずすと、自転車を支えないと倒れていく。
自転車にまたがり、地面に足をつける。
父がうしろから自転車を支えてくれる。
「片足ずつ離して、地面を蹴って進んでみて。」と父は私に伝えた。
ペダルはそのままに、地面を左右交互に蹴って前へ進む。
これは結構簡単だ。
けど、これ必要なのかな?と内心思った。
慣れてきたところで、ペダルに足をかける。
うしろからお父さんが支える。
最初は戸惑ったが、3時間も経たないうちに乗れるようになった。
すげー。
それから数年後、
私は弟に同じように教えた。
まずは自転車に乗って左右交互に地面を蹴る。
それからペダルに足をかける。
弟も、ものの数時間で自転車に乗れるようになった。
すげー。
今考えると、地面を蹴ることで体重移動の感覚を教えてたのかなぁ、と思う。
それから私は二十歳になった。
車の運転をするようになった。
初心者なので、
職場までの運転と車庫入れの様子を
お父さんが助手席から見守る。
「ウインカーは思ったより早めに出した方がいいよ」
「バックで駐車するときは、左右前後、いろんなところを見ながらね。」
バックビューモニターのついてない車なので、こんなアドバイスも。
おかげさまで、
長距離や深夜の運転が多いけれど、今まで無事故で運転できている。
父からのアドバイスは、体に染みついている。
今度は弟が車に乗るようになる。
父は私のときと同じように、車の助手席に座る。
最後まで読んでいただき
ありがとうございました。
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