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ぬか床にも好き嫌いがある

ちょっと前のことです。
勉強に全集中して手間をかけなかったら、ぬか床の表面が白くなってしまいました

そうなると、皆さんぬか床に白いカビが生えたと思うようです。私もそうでした。表面全体にうっすらあるそれを、ごそっと思い切って捨てました。カビは根があるので、思い切りが肝心とばかりに、全部を捨てるよりマシだと思いながら。

しかし、その白い表面は産膜酵母というものだそうで、カビではないそうです。ただし、それが旺盛に繁殖すると味は落ちるそうです。こういうことは後で知っても、遅いわけですが、残りのぬか床を気持ち悪がってすっかり全部捨ててしまわなくて済みました。確かに、味というかぬか床の香りが美味しくなさそうな方へ変わってしまっているのがはっきり分かりました。まったく野菜を漬ける気がしないのです。

冷蔵庫に保管するタイプのぬか床は、毎日混ぜなくてもいいもの。だから、勉強に一週間ぐらい集中しても大丈夫なはず。それなのにとブツブツ思いつつ、ぬか床を復活させるためにいろいろ調べてやってみました。

私が施したのは、

・新しいぬかは足さない
・天然塩を足す
・乾燥塩麹を入れる
・白菜のような水分の多いクズ野菜を入れる
・1日に2回かき混ぜる
・復活し始めたら多種類の野菜を漬ける
・旨みを出すためどんこを入れる

だいたい一週間くらいできゅうりを漬け始め、完全復活には二週間くらいかかりました。

ところで、少しずつ回復するぬか床にほっとすればするほど、私は話しかけるようになりました。マリモを飼っているのに似ているかもしれません。話しかけるということは、ぬか床を生き物として認識した証拠です。目も鼻も、もふもふした毛も生えていないけれど、静的に生きてるとはっきり感じるようになりました。「ぬか床がダメになった死んだ」と思ったからこそ、回復すればするほど、それまでぼんやりしていた「ぬか床は生き物」だという見方が際立ったのだと思います。

これは他の方も感じているのでしょうか?
手を入れて混ぜると、ぬか床に活気があると手の表面にわっしわしと食らい付いてくるように、まとわりつく時があります。そういう時は洗っても匂いが取れません。元気な時だけ皮膚を発酵しようという意気込みが感じられます。しばらく手の表面がジンジンしたままになります。

というわけで、可愛くなってしまったぬか床の快気祝いに、こんど大和芋を漬けるつもりです。それは、最初に大和芋を漬けたときに定番キュウリの何倍も美味しく漬かったのをみて、ぬか床が大和芋を歓迎していると感じたからです。ぬか床にも好き嫌いがあるんじゃないかな?と私は思います。

とにかく、復活したぬか床に漬かったキュウリは酸っぱくて美味しいです。もとの調子に戻ってくれてほっとしています。


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