劇団四季『ゴースト&レディ』にのめり込んだ話④
引き続きゴスレについてひたすら好き勝手に語る話。
グレイのおかげで家族からの反対はとりあえずなんとかなったところで
♪絶望のどん底で
なんだか面白くなってきたグレイが、
一番絶望したところで望み通り殺してやる、とフローと約束を交わすナンバー。
これはもう、萩原グレイ×真瀬フローの色気が桁違いです!!
恐らく人生で初めて刃を向けられ、
死を意識して少し恍惚とするフローの表情。
恍惚って言葉は勿論知っていたけど、これが恍惚ってものなんですね!初めてみた!!
そして「殺す…いつ…?」の言い方!
こんなに色気ダダ漏れで大丈夫ですか?
高校生団体きてる回とかありましたよ!?ってくらい。
そこからの、「挑戦します」の強い挑発的な表情がもうたまらん!!
ほんの数分前まで「もし、役に立てず、もし、失敗したら…」と細々と歌い、不安げな表情をしていたフローが、
死を意識した恍惚とした表情になり、
そしてグレイとの約束でとんでもなく強い表情となる。
たった数分の1曲の中で見事に表現する真瀬さん谷原さん共に表情管理が物凄いです。
そしてこの曲ダンスもかっこいい。
まるで剣で戦ってるような振り付けとか。
そしてなにより良いのが、触れ合わない。
ゴーストのグレイには人間は触れられないし、グレイも人間に触ることが出来ないので、
手を合わせるような振り付けでもほんの少しの空間があるんですよね。
この空間が!素晴らしすぎる!
触れそうで触れないって一番良いですよね。
これ、もう少しあとでもう一回出てきます。そっちはもっともっと尊い!
そしてこの曲は特にストリングスワークがとてもかっこよくて、サントラ聴き込むうちにだんだん歌じゃなくてストリングスの方に耳を持っていかれ始めています。
もちろん歌が皆さま素晴らしいんですが、歌無しのオーケストラコンサートとかをやっても、ゴスレの音楽は絶対に楽しい!間違いないです。
という事で、2人の間で約束が成立。
フローが任務を引き受けるために足早に出かけていったところで、部屋にひとり残ったグレイ。
ここでグレイの語りで、この舞台化において最大の重要ポイント、原作との変更点が説明されます。
「ゴーストは人間を殺すと自分も塵になって消える」という真実。
これは最後までフローには知らされず、私達観客と同じくゴーストであるデオンしか知らないルールなのですが、
めちゃくちゃ重要な役割を担ってくるんですね。
基本的に原作ありきの物が別メディアで展開される時の改変って、あまりうまく働かなかったり、原作派からすると「悪くないけど、原作そのままのが見たかったな」と思われることも少なくないと思うのですが、
この追加ルールは凄く効果的に物語を肉付けしてくれている、と私は思っております。
グレイに対してもですが、特に後ほどデオンがフローを狙うことに執着する理由により深みがついていきます。
この段階ではまだ、そりゃ自分を殺すことでグレイも消滅すると知ったらフローはグレイには頼まないだろうな、くらいの意味づけ。
そんな訳で、物語に戻りまして、ここでめちゃくちゃかっこいいグレイの紹介で、満を持してラッセルの登場!
もうね、ラッセルは原作の時からひたすらいい人。愛。
今まで語り部を担ってきたグレイからバトンタッチ。
♪国は責任をとれ でラッセルが戦争の現状についての説明役となります。
ラッセル役は今のところ1回を除いてほとんど長尾さんで拝見しています。
『ノートルダムの鐘』でも何度か拝見していて、その時はまだ特定出来ていなかったんですが、候補キャストの情報が出た段階からもうビジュアル完全にラッセルじゃん!!!って思っていました。
似合いすぎる。
そして何よりカーテンコールのめちゃくちゃスマイルがね…素敵すぎるんですよ…。
本編中は深刻な語りをする事が多く、あまり笑顔を見せないキャラクターだから余計に、もう天使のような満面の笑みでお手振りされているご様子が大好き過ぎて、いつもカテコ中ガン見しております笑
さて、この♪国は責任をとれ のナンバー。
変拍子で畳み掛けるように重なって歌っていくのがまたかっこよくて好きなんですよね。
まさに戦地の現状を聞いて揺れ動き焦る市民たちの心を音楽でも表しているようで。
それぞれに歩き回っていた市民たちが中央に集まり、3列で新聞を広げるあれもめちゃくちゃかっこいい。
昔学生時代、ブラックライトの演出であんな感じのやったな、とちょこっと思い出します。
そして市民が、ラッセルが、ハーバート戦時大臣を責め立てるような中、フローが堂々の登場。
原作では物語だいぶ終盤で倒れた際に髪を短く切りますが、舞台版は既にここでさっぱりショートヘアに。かわいい。
フローが任務を引き受けるとすぐに出発の場面に展開するのですが、
この♪国は責任をとれ の畳み掛けるような重圧の音から一瞬の静寂のあとひとりポツンと残されアカペラで歌い出す♪走る雲を追いかけて までの緩急のつけ方が、天才。
あの間が、長すぎても短すぎてもいけない、
ふっと一瞬で転換するあの空気感が、
ひとり立ち上がるフローの心境を絶妙に表現してるんですよね。
という事で、この後ビッグナンバーが控えておりますので語る前に、キリよく一旦こちらで。
続きます。
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