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惑星ホタル 1 むらさきの空

菊子は、広いショッピングモールにある可愛い雑貨店のようなお店で黄色いボールペンを一目で気に入り手に取り、買おうと決めた。が店員さんが見当たらない。

ふと見ると木製の細い梯子のような急な階段が目に入りそこを下りると、店の階下のひらけたフロアにでた。

そこには可愛い木彫の椅子や家具が並んでいて、店内は暖かい木のぬくもりのする雰囲気。 やっと店員さんを見つけて「これください。」と100円を払った。

「下にもお店あったんですね・・」

そう呟くと店を出て、あたりを見回すとそこは最上階の、360度景色が見渡せるこの建物の屋上テラスだった。

空は、映画の中でよく見るような、なんとも言えない美しい紫色。ハッとするようなこの世のものとは思えないような紫色で、虹色がグラデーションしているようなところや、キラキラ星が集中的に輝いている箇所もあった。

慌ててスマートフォンを取り出して、この神秘的な風景を撮りたい!菊子はそう思って、1番美しく思えた景色を撮ろうと、少しズームにして風景を切り取ろうとしてみると、それはまるで絵で描かれたような水彩とクレヨンが混ざったような不思議な世界だった。不思議に思ったがシャッターを押すと、なぜか、撮れない。

(なんで??)何度も何度もシャッターを押して撮ろうとしたが、『ジュー』っと妙な音がして、どうしてもこの美しい景色の写真を撮ることができなかった。

諦めて、とにかく出口のようなところから降りようとしたが、その入り口は身体をねじ込めるように入れてやっとという人1人、入るのがやっとといった狭い白い階段で、

(何これ?)とおもいながら急な階段をゆっくり踏み外さないように、と足を伸ばした途端に、こんどは急にガタンッと音がして、ジェットコースターのような勢いで降下が始まったのだ。

思いもよらない展開に(これ、そういう乗り物だったの?)と戸惑う菊子だった。


☆☆☆

ーハッと目が覚めた

夢だった。妙にはっきりとしたカラフルな、だがへんてこな感じの、夢だったなと菊子は思った。

ただただ、紫色の空が美しくて、まさに(ああ、あんな不思議な空は見たこともないから、やっぱり夢であっているんだ。地球上にはない景色だもの。)

と思うのであった。




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