京急新1000形の歴史(4) ステンレス車(塗装車)
⑴ 京急新1000形ステンレス車(塗装車)の概要
2007年から導入されてきた新1000形ステンレス車ですが、2017年度から導入された17次車からは車体が、アルミ車以来の全面塗装を採用しました。
ステンレス車で全面塗装したのは南海1000系以来2例目で、関東の私鉄では初となりました。
LCD案内表示器は2画面に変更しました。
車体な内装、機器類に関しては16次車に準じています。
ワイパーカバーに描かれた1000の文字は、アルミ車と同様のスリット表記となりました。
⑵ 京急新1000形ステンレス車(塗装車)のバリエーション
➀ 17次車
2017年度に6両編成2本(1613F、1619F)、8両編成3本(1201F、1209F、1217F)が落成しました。
当年度以降に製造された8両編成は、京急創立120周年に合わせて1200番台を名乗る様になりました。
8両編成の一部の編成に関しては、塗装の一部の行程を久里浜工場で行いました。
② 18次車
2018年度に6両編成7本(1625F、1631F、1637F、1643F、1649F、1655F、1661F)が落成しました。仕様は17次車に準じています。
③ 19次車
2019年度に6両編成1本(1667F)、8両編成1本(1225F)が落成しました。仕様は、17次車に準じています。
④ 20次車
2020年度に4両編成2本(1891F、1892F)が落成しました。当年度から導入された、4両編成は車両番号を1890番台と名乗っています。
今までの1000形と比べて、かなり相違点があり別形式にした方が良いぐらいです。先頭部分は、1800番台をベースにしてます。
主な相違点を列挙していきます。
・床下機器は、SiC素子VVVFインバーター制御を採用しているが、ブレーキの緩解音が都営5500形に近いものになっている。
2M2Tになったことから、モーター1台あたりの出力を高めて、都営浅草線内を走行できる様にするためである。
・側面行先表示器が、京成3100形と同様のものになり大型化している。
・MT比が、4M0Tから2M2Tに変更。これは、車両にトイレが設置されたことに伴い、車体重量が重くなり都営浅草線への乗り入れ規約の車体重量制限に抵触するためである。
・京急の車両では、初めてトイレが設置された。2両目にバリアフリー対応の様式トイレ、3両目に男性用小便器を設置されている。4両編成で、トイレが2か所設けられるのは異例なことである。
・VVVFインバーター、パンタグラフは、サハ車である中間車に設けられている。これは、先頭車には機器類が多く設置されたことから床下部分にスペースが無かった為である。
・車両番号にー(ハイフン)が使われるようになった。これが採用されるのは、京急600形以来である。
京急新1000形1890番台は、座席指定列車(Wing号)やイベント列車用の車両として運行を開始しました。また、座席指定列車の運行がない昼間はエアポート急行の運用に入ります。
2021年12月には、1890番台の愛称として「Le Ciel」が命名されました。車体側面には、愛称が書かれたロゴが車体側面に掲示されました。
2022年5月には、鉄道友の会からブルーリボン賞を受賞しました。
⑤ 21次車
2021年度に4両編成3本(1893F、1894F、1895F)が落成しました。
仕様は、20次車と同様です。
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