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【社会人インタビュー#6】アナウンサーから転身し、SaaS企業に挑戦するOBの"キャリア"

世の中理解塾の加賀谷です。今回は、アナウンサーを経て働き方を変えるDXサービスを提供するSansan株式会社に勤める厚芝智行(あつしばともゆき)さんにインタビューを行いました。学生時代から積極的に行動を起こしていくための原動力が感じられる内容となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。

厚芝智行(あつしばともゆき)さん
Sansan株式会社

中央大学 法学部を卒業後、アナウンサーとしてテレビ信州に就職。ラグビーの国際大会の日テレ系全国ラグビー応援団や「news every.」などの番組を担当したのち、現在ではSansan株式会社に所属。在学時にはアナウンサースクールであるテレビ朝日アスクに通い、やる気応援奨学金を用いた留学にも挑戦していた。

これまでのキャリアについて

−厚芝さんのこれまでのご経歴を教えてください。

私は2017年の4月に、テレビ信州という長野県の放送局にアナウンサーとして入社しました。

途中からは報道記者も兼任し、実際に長野県を最前線で取材して夕方の番組で放送していくというような仕事をしていました。

仕事ではとにかくスピードが命の環境で柔軟な対応が求められました。

また長野県には菅平高原というラグビー合宿で有名な場所もあったため、国際大会が開かれる際は注目度の高い仕事を担当できたと感じています。

一方で2021年の2月には現在のSansan株式会社に転職し、最初は「Eight Team(当時のEight 企業向けプレミアム)」という中小企業向け名刺管理サービスのインサイドセールスを行なっていました。

【用語解説】
◯インサイドセールス〜内勤型営業を指す。実際に企業に赴くフィールドセールスとは異なり、電話やメール、Web会議システムを用いた営業スタイルを指している。

今年の6月からは最速で一人前のビジネスパーソンに成長させるというミッションの下で、Sansanに入社してきた新卒の方の立ち上げ業務にチームリーダーとして従事しています。

アナウンサーの原点とIT業界への転換

テレビ信州で災害報道を行う厚芝さん
−厚芝さんは学生の頃からアナウンサーの養成所であるテレビ朝日アスクに通われていたと伺っているのですが、アナウンサーを志望していた理由はなんだったのでしょうか。

私がテレビ朝日アスクに通い始めたのは大学3年生の時で、本格的な就職活動がかなり近づいているタイミングでした。

もちろんそれまでには他の業界も見ていたのですが、最終的に選んだ理由は毎年100人ほどしか採用されないというアナウンサーの希少性です。

スポーツ実況をしたいという自分の憧れともマッチしていましたし、新卒でしか挑戦できないのならやってみる価値があると思って挑戦しました。

−非常に狭い門を突破されてアナウンサーになられた厚芝さんですが、Sansan株式会社に転職された背景もお伺いしたいです。

それは長野県でアナウンサーとして活動していく中で、地方のアナログさを強く実感したからです。

分厚い紙のファイルを持って走り回っている方を見るのは日常茶飯事で、名刺も実体でのファイル管理が当たり前。
カードが使えないお土産屋さんも多くありました。

知人と会うために東京に行った時に、長野との差は何が原因なのかを考えたのです。

答えとして行き着いたのはITの差であり、自分が使っていたキャリアプロフィール「Eight」が地方だけでなく日本全体を変えられるという魅力を感じたため、Sansan株式会社への転職を決意しました。

仕事の中で感じるやりがいと姿勢

Sansanの創立記念パーティーで司会を務める厚芝さん
−厚芝さんが現在の業務の中で感じられるやりがいはなんでしょうか。

仕事のやりがいは、優秀な新卒たちと一緒に仕事ができることです。

Sansanでは新卒の採用に力を入れており、毎年優秀な方たちが入社してきます。

そんな中でいかに成果を上げてもらうのかとともに、彼らの意思を汲み取って還元していくことも必要になってきます。

入社してきた方のパワーを最大化できるというところに、強いやりがいを感じています。

−主要サービスの「Sansan」を営業DXサービスに刷新するなど話題になりました。IT業界の競争が激化する中でも存在感を示し続けられている理由として何が考えられるのでしょうか。

Sansan株式会社で働いていて感じるのは、会社全体が変化を恐れていないことです。

私たちの会社のValuesという価値観として、「変化を恐れず、挑戦していく」「最速を目指す」ことを掲げています。

上手くいっているものでも時にはそれを壊して、時代に合わせた戦い方ができるからこそ、このような結果を達成できたのではないでしょうか。

アナウンサーの経験が活きる「Climbers」

Climbersでインタビュアーを務める厚芝さん
−厚芝さんは、Sansanが提供するキャリアプロフィールサービス「Eight」、テレビ東京、GOETHE(幻冬社)が主催する「Climbers」というイベントでインタビュアーを担当していると伺っています。イベントの概要やその役割に至った経緯などをお聞かせください。

Climbers(外部リンク)は、各界のトップランナーに様々な壁を乗り越えてきた経験をお話ししていただく特別講義です。

私が元アナウンサーとして社内のイベントで司会をする機会があり、それが目に留まって声がかかったのだと思います。

当日へ向けてとにかく必死に準備したことをはっきりと覚えていますね。

−Climbersのインタビュアーとしての経験を通じて、厚芝さんが感じたことや得た教訓などがあればお聞かせください。

アナウンサー時代からの教訓でもあったのですが、何事も台本通りにはいかないのです。

私がこれまでインタビューしてきた方の中には「台本通りにはいかないから」とおっしゃる方もいて、実際にそうなりました。

ここで試されるのは、お相手の方が一番話したいことやテーマをいかに汲み取って最適解を組み立てられるかなのです。

台本のエッセンスも加味してその時の流れを読み、柔軟に対応する力の重要性を改めて学ぶことができました。

「もがき続けた」学生生活

インタビューの際の厚芝さん(画像右) ※撮影時のみマスクを外しています
−厚芝さんが大学生だった時は、どのような価値観や選択の軸を持って生活していたのでしょうか。当時のキャリア観などもお伺いしたいです。

大学に入学したときは法律をしっかり学びたいという思いが強く、炎の塔に所属していました

ただ勉強を続けるうちに自分の得意分野ではないなとも感じるようになり、「自分の強みってなんだろう」と迷う時間が増えました。

そこで一年生の時にお世話になった橋本基弘教授に相談したのですが、自分の中で持っていた疑問へのヒントとして「もがき続けることだ」という言葉をもらいました。

ひとえに「自分の強みを見つける」といっても簡単なことではなかったので、教授の言葉がきっかけとなり、もがくために「ひたすら行動する」ということが私の軸になりました。

具体的にはやる気応援奨学金を使った短期留学やアルバイト、テレビ朝日アスクに通ったのもその一環です。

−厚芝さんが取り組まれた留学やアルバイトについての詳細を伺いたいです。

やる気応援奨学金を利用した留学では「多様な考えに出会う」という考えを軸にしていて、今まで出会ったことのない多国籍の人たちと出会うことで価値観を広げたいと考えていました。

私が留学先として選んだオーストラリアのシドニーは多国籍都市と言われていて、日本では得られない視野を広げることができたと思います。

またアルバイトとしてはマンツーマンの塾講師をしていて、生徒のわからないことに合わせた指導で成長させられる点に魅力を感じていました。

他にも自分が知らない仕事がしてみたくなったこともあって、イベントの日雇いスタッフなどとにかく何でもチャレンジした学生生活だったと思います。

これからのキャリア観と中大生に伝えたいこと

−最後に、厚芝さんが今も行動力を持ち続けられている理由や将来への展望をお聞かせください。

私が行動力を持ち続けられている理由の一つは、最終的にはアナウンサー以外の形でテレビやメディアで活躍する人間に戻りたいと考えているからです。

アナウンサーは人の話を引き出す役ですが、今度は話者としてメディアに取り上げあげられるような人間になりたいという想いから今も動き続けられているのだと思います。

ただ自分がどのような専門分野を持って強みを持つかは決まっていないので、まだまだ行動し続けていく予定ですね。

−挑戦したいと思っても、実際に行動できる学生は多くないと思います。踏み出す勇気のために、厚芝さんから中大生へメッセージをお願いします。

やる気応援奨学金やOB・OGを紹介してもらえるキャリアセンター、日本でも有数の図書館など中央大学にはたくさんの引き出しがあるはずです。

ただその引き出しを引くかどうかは自分次第で、高額な学費に見合っただけ自分は成長できているのかを考えてみてください。

逆境の時にはまずはもがいてみて、自分のことをよく知る人に「自分の長所」「自分の人となり」を聞いてみましょう。

人に言ってもらうことで気づくこともあるはずですし、それが目の前の壁を乗り越えるヒントになると思います。

−厚芝さん、本日はありがとうございました。周りにある好機を積極的に活かしていく姿勢は、より多くの学生が意識していくべきことだと強く共感しました。

世の中理解塾について
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