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この時期、税務署に電話しても電話で話す相手はその税務署の人ではありません

まあ、これは書いても問題ないことだと思うので書きますが、タイトル通りです。

さあ確定申告の時期が始まるよ


1月も終わって、どこぞで税理士資格のない人が確定申告を請け負って荒稼ぎして逮捕みたいなニュースが出るようになると、いよいよ確定申告の時期となります。

こういうニュースを流すことで、啓発してるわけですね。

昨日(2022.1.31)は、なかば狂騒的な状態となった持続化給付金受給をめぐって、税理士でもなんでもない者が確定申告を大量に行って1億円の不正受給をせしめ、税理士法違反で逮捕、というニュースが出てました。

一部の例外を除き、税理士資格を持たない者が、一般的なことならともかく、確定申告の個別具体的な相談に乗ることは、それがたとえ無償だろうとも税理士法違反になります。確定申告書を作るに至らず、相談に乗る段階でもアウトです。

税理士の従事するコールセンター


さて、確定申告でよくわからないことがある、これは税務署に聞こう、となると自分の住むところの税務署に電話することになるかと思います。

最初から誰か生身の人間が出るわけではなく、音声ガイダンスに従うことになります。で、そのガイダンスに従っていくと、いかにも中継室(?)っぽいところにまずつながり、用件を聞かれたあと、さらに電話が転送されます。

その電話を受けているのは、たいがい、この時期その電話番として従事している税理士です。

これは、業界ではコールセンター業務と呼ばれるものです。

毎年11月~12月にかけて税理士会にてその従事者の募集が行われます。

ボランティアで手弁当というものではなく、報酬もきちんと出ますが、丸一日コールセンターに従事するのであれば、その一日でだれか一人の確定申告を行って報酬をいただいたほうが良いぐらいの水準です。

そのため、応募が殺到するというようなものではなく、定員に満たないときは税理士会の担当役員の方が泣き落とし等を用いて枠を埋めます。

で、この時期になると県内某所に各所から合わせて数人が集められ、目の前にノートパソコンがあって、ヘッドセットが用意されているといった具合のコールセンターにてひたすら電話を受けます。

従事時間は昼休みを挟んで正味6時間半。簡単な質問もあれば、込み入ったものもあり、どういった質問が来るかは電話を受けてみないとわからない(中継室から転送されてくる際に概要は聞かされます)ため、税理士側としても、結構鍛えられます。

ということで、その税務署の人間が答えてません。ご了承ください。


電話をする人は、税務署に電話をかけているのだからそこの税務署で税務署職員が質問に答えているのだろうと思っているでしょうが、その実、こういうことです。

埼玉県の大宮税務署にかけても、具体的な相談に乗っている相手は、群馬県の税理士かもしれないし、新潟県の税理士かもしれません。

埼玉県内の税務署の電話番号にかけても、埼玉県内のどこかにあるコールセンターにつながるわけではなく、関東信越国税局管内どこかのコールセンターに繋がります。

それはランダムなのか、一定の法則があるかはよくわかりません。

なお、電話を受けている側は、どこの税務署管内にかけられた電話かは電話機に表示されているのでわかります。

受けている人間からすると、いまからそこの税務署に行くと言われても、ちょっと困っちゃいます、すみません。こういったご時勢なので、その税務署が事前連絡なしに納税者が来ても良いような運用にしているかよく知りません。

真に確定申告の時期(早いところでは今日の2月1日から)になると、税務署によっては税務所庁舎に来ても確定申告の相談・申告を受け付けず、別会場を案内されます

というわけでございますので、納税者の皆様におかれましては何卒ご承知おきの程よろしくお願いいたします。

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