見出し画像

いまさらながら年末調整について その1 基礎編

(画像は、年末調整とかかわりの深い源泉徴収から「源泉」で出てきたものです。(源泉徴収で検索しても出てこなかった))

年末調整というくらいだから業務的には年末にやるもので、ちょっと時機には遅れているのですが、年末調整についてのハナシをします。

所得税法での規定

年末調整とはなにか。ちゃんと所得税法にあります。長くなりますが引用します。読まなくてもいいです。太字は筆者が付加したものです。

(年末調整)
第百九十条 給与所得者の扶養控除等申告書を提出した居住者で、第一号に規定するその年中に支払うべきことが確定した給与等の金額が二千万円以下であるものに対し、その提出の際に経由した給与等の支払者がその年最後に給与等の支払をする場合(その居住者がその後その年十二月三十一日までの間に当該支払者以外の者に当該申告書を提出すると見込まれる場合を除く。)において、同号に掲げる所得税の額の合計額がその年最後に給与等の支払をする時の現況により計算した第二号に掲げる税額に比し過不足があるときは、その超過額は、その年最後に給与等の支払をする際徴収すべき所得税に充当し、その不足額は、その年最後に給与等の支払をする際徴収してその徴収の日の属する月の翌月十日までに国に納付しなければならない。

そして、おおよそ
第一号:毎月所得税を源泉徴収した額
第二号:社会保険料控除や生命保険料控除その他諸々をして算出した所得税額

と続いています。

かなりおおざっぱにいうと、
第一号 と 第二号 の差額を年末までに調整してね。
その結果の差額は、翌年1月10日期限の納付に反映させてね。
というのがこの条文の示しているところです。

そのほか
「給与所得者」 「扶養控除等申告書」 「居住者」 「給与等の金額が二千万円以下であるもの」 といったキーワードが並んでいます。それぞれ示すものが何か、ということで論点が発生してくるわけですが、ここではさしあたってスルーします。

条文としては上記のように規定されています。

実務的にやること

以下のような具合です。

①役員含め従業員(従業員等)に書類を配布、回収
 ├扶養控除等(異動)申告書
 ├基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 所得⾦額調整控除申告書
 └保険料控除申告書+控除証明書等

②回収した書類をもとに、所得税等の額を計算
 ‐1.源泉徴収簿の作成
 ‐2.各人の源泉徴収票を作成

③年末調整の結果額を、本来であれば12月の給与支払額に反映させて、各人に交付。合わせて、源泉徴収票を交付。

④年末調整の結果を反映させて、従業員等に源泉所得税等を納付(原則、翌1月10日。上記納特を適用している場合、1月20日まで)

⑤従業員等の居住する市町村区に給与支払報告書を提出(1月末まで)

⑥給与支払者の管轄する税務署に支払調書合計表を提出(1月末まで)

・・・けっこうな作業ですね。

実務的な現実

改めて上記の所得税法の条文を見ると、その年最後の給与支払日(つまり通常12月の給与支給日)に、年末調整をした結果を反映させていなければならない、ように読めます。

でも、実際、実務的にはこのあたりもう少し緩いです。年が明けてから従業員等に対して、「これ、年末調整の還付額ね」といって現金で返すといったことは良く行われています。

また、納特を適用している小規模な事業者は、とりあえず1月20日納付期限に間に合わせればいいので、わたしは1月に入ってから税理士会を通じた年末調整関連の支援業務に従事しました。

(ただ、緩くていい根拠は、実はよく知りません。(小声))

ともかく、1月末期限の提出物を出し切って、年末調整業務はフィナーレを迎えます。

ということで、年末調整シリーズ、数日続きます。

本日は以上です。ご覧いただきありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?