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自叙伝「#車いすの暴れん坊」#39 ユニバーサルスペース夢喰夢叶からの予想図

さて、話を本題に戻そう。ユニバーサルスペース夢喰夢叶(むくむく)のことについて話しておきたい。初めは社員の福祉厚生のために始めたものだ。

自立支援センターおおいたは、7人の重度障害者、車いすに乗った障害者を雇用している。飲んだり食べたりするのが好きなスタッフが多く、俺も一緒に行くのだが、トイレがある飲食店がなかった。

そこでトイレが使えて、気持ちよく飲み食い ができる店をつくりたかった。そして、他の飲食店に「こういう店づくりをするとお 客さんが来てくれる」というモデルづくりをしたかった。

最初につくったのは、以前、自立生活センターおおいたの事務所として使っていた、竹瓦温泉の近く、竹瓦小路の中に20人くらいが入る店だった。

そして、それから商店街の広い場所に移転した。新しい店舗は40人ほど入る。ここに昼間は、からあげ屋の夢現鶏(むげんどり)、福祉無料相談所、別府大分バリアフリー情報センター、食い倒れ飲んだくれ情報センター、そして夜はユ ニバーサルスペース夢喰夢叶として、付加価値を付けられるだけ付けて運営している。

竹瓦小路にあったときには狭くて、なかなか障害者の団体が使ってくれることは少な かったが、新しい店舗は太陽の家の中にある企業も多く使ってくれるようになった。

前にも話したが、飲食店のオーナーは例えば、バリアフリーな車いす対応のトイレを作った場合に、何人の車いすが来てくれるか考えるのだが、車いすを使う障害者、高齢者もひとりで来店するとは限らない。

当然、家族や親族、友達と来ることもあるだろう。そしてそこで、障害者と健常者が出会うことによって交流が生まれる。

先日も福岡で飲食関係のプロデュースをしている人たちとユニバーサルスペース夢喰夢叶で飲んだのだが、そのときの感想もすごかった。
「障害者と飲むのも初めてだったし、こういうスペースがあるというのも初めてだった。ぜひ、福岡でもこういう店を作りたい、広げたい」
と、言ってくれた。

これからの超高齢化社会にはユニバーサルデザインは必須である。大手のカラオケチェーンシダックスでは全店舗がユニバーサルデザインで車いす対応 トイレが備えてある。

これも先見の明だと思う。造るときはトイレの広さを広くする ことでもったいないと感じるかも知れないが、いずれ間違いのない先行投資と分かる 日が来るだろう。

別府・大分バリアフリー情報センター

バリアフリーやユニバーサルデザインのホテルや店舗など、バリアフリー観光を推進していけば、観光客は増加するというのが、俺の昔からの持論である。そんな中、日本バリアフリー観光推進機構
http://barifuri.jp/portal/page/jbfspo.html
の推進しているパーソナルバリアフリーの考えに共感し、別府・大分バリアフリー情報センター
https://barifuri-oita.com/
をつくることを決めた。

パーソナルバリアフリー基準とは、行けるところに行くのではなく、旅行者が行きたいところ、楽しみたいことを 実現するために、旅行者一人ひとりの状況に合わせて情報提供や旅行アドバイスを行 う相談システムだ。

パーソナルバリアフリー基準では、障害者の数だけバリアの数は ある、という考えにもとづき、「段差あり、なし」などといった画一的な基準ではなく、その施設の「バリア」をすべて詳しく調べあげ、ありのまま紹介するのが特徴だ。

また、施設調査には障害を持つ当事者たちにも参加してもらい、当事者が実際に体験した信頼できる情報を集めている。バーソナルバリアフリー基準の情報を発信したり、旅行会社との提携でバリアフリーのパック旅行やパーソナル旅行を提供したり、介助派遣を提供したりする。

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ユニバーサル別府


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