自叙伝「#車いすの暴れん坊」#29 行政が考える自立生活
話は前後するが聞いてほしい。NPO法人自立支援センターおおいたは、2002年に障害者ふたりと健常者ふたりでスタートした。
そしてピア・カウンセリングやI LP(自立生活プログラム)を勉強しに東京まで通った。ほぼ毎月、上京していたような気がする。
初めの頃は行政もなかなか自立生活運動や自立生活プログラムについては分かってくれなかった。
「そんな危ないことせずに施設に入っていればいいじゃないか」
「施設なんて、週に2回お風呂に入れればいい方だよ」
「なんで毎日お風呂に入らなくちゃいけないの」
などと、平気で言い返して来るのである。
では、あなたたちはどうなんだ。市役所の 職員のあなたは、毎日好きなときに風呂に入っているのではないか。もしかすると、朝シャンや朝風呂に入ってから登庁してきているかも知れない。
それが障害者だから、施設では週に2回だからという理由で、お風呂に入る回数まで押しつけられる。やは り他人事なのだ。
ある障害者はしゃべることは自分でできるが、ほとんどの手の機能は使えない。車いすに乗っていても、身体が倒れたら自分で戻すことはできない。それでも市役所は呼吸器を付けていないと24時間の介護は出せないという。
1、2時間ひとりでいても大丈夫でしょう、と。今の時代は携帯電話というものがある。その人も携帯電話をなんとか操作をすれば、自分でなんとか電話をかけることはできる。
でも、携帯電話が床に落ちたらどうだろう。バランスを崩して車いすから倒れて携帯を落とす。そんな状態で長くいると、血圧は上がり、呼吸が苦しくなり、心臓も苦しくなる。どうやって助けを呼べばいいというのか。
そのことを一生懸命に俺たちは訴えるのだが、市役所の職員は、そんなことは起きるか起きないか分からない、大丈夫でしょうと平気で言う。もっと自分がそうなったらと置き換えて考えること、想像してみることはできないのか。
確かに24時間の介護をしようと思ったら行政の財政負担は大きい。ただ、24時間の介護は必要だが、自立しようという意志のある人はそんなにはいない。
それは本人も ある意味大変だからである。施設にいれば黙っていても食事は出てくるし、朝も起こ してくれる。
でも自分でひとりで生活することになれば、何時に起きて、何時にご飯 を食べて、なにを食べるのかなど、すべてのことを自分で決めなければならない。考 えなければならない。
でも、それが自由なのである。それが人間らしい生活だと思う。だから苦労があっても自立した生活がしたいと思うのだ。
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ユニバーサル別府
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