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自叙伝「#車いすの暴れん坊」#38 俺の哲学と永ちゃん(矢沢永吉)との出会い

俺の哲学と永ちゃん(矢沢永吉)との出会い

俺の哲学

閑話休題とでも言おうか。ちょっと息抜き程度に読んでほしい。皆は自分が落ち込んだときに、どうしているのだろうか。信じてもらえないかも知れないが、俺もこれまでいろんなことで落ち込んできた。しかしそのときにもうひとりの俺が右45度上空から俺を見ている。

そして頑張っている俺に対して、
「米倉、お前しかできないんだ。この壁を乗り越えるのは、この逆境から立ち上がるのはお前しかいないんだ。お前だからできるんだ」
と、松岡修造的に応援し続ける。

これを俺は分身の術と呼んできた。つまり自分が落 ち込んでいるとき、自分で励ます。そして、有名人や偉人の名言を見てはつぶやく。よくフェイスブックなどで他人の名言を引用するが、これはなにも周りの人に言って いる言葉ではなく、自分に言い聞かせているものだ。

そうやって自己暗示をかける。自分にはできるのだ、と。俺は自分を騙すのがうまい。自己暗示をかけるのがうまい。だからやりたいと思うことはできるまでやり続けることができているのだと思う。

永ちゃん(矢沢永吉)との出会い

閑話休題をもうひとつ。中学のときに、矢沢永吉の『成りあがり』という本を読んだ。

うちは決して、飯が食えないほど貧乏ではなかった。親父も大企業の設計技師をしていて、お袋も着物の先生や着物の販売などをしていた。ただ両親とも若い頃は貧乏をしていたらしい。

うちの家は食べるものだけは美味しいものを食べようという家庭であった。洋服やブランド物には興味はなかった。

ただ俺は、宮崎の伯父たちの生活を見ていて、やっぱりいい車に乗りたい、いい家に住みたい。それを叶えるには社長になるしかないと思っていた。つまり矢沢永吉の言うところのビックになるということだ。

中学生で『成りあがり』を読んでから、大いに感化され、その意識はさらに強くなった。永ちゃんのように、ベンツの赤のスポーツカーに乗り、プール付きの家に住む。

いつかそうなってやる。ビックになるんだ。グレートになるんだ。そう思って生きて きた。

しかし、ある程度食えるようになってくると、ビックになることが夢ではなく なった。もっと叶えたい夢がたくさん出てきた。

それは自分が高級外車に乗るよりも、いい家に住むよりも、車いすになった自分が、不自由なく世の中を生きていくために、どういう世の中を作ればいいか、それが自分の夢へと変わった。

それは重度の障害者 でもできる仕事を作ること、住宅を造ること、店を造ること、ホテルを造ること。食 べて行くだけであれば、そんなに収入は必要ではない。


今までにいろんな人との出会いがあった。それは単なる飲み友達であったり、仕事関係、職場のスタッフだったり。

ただやはり一番強い絆で結ばれているのは中学高校時代の友達だ。一緒にいた期間はそれほど長くないと思うが、なぜこうも違うのだろう。

友達が離れていくひとつの要素として、妬みというのがあるようだ。俺自身は人を妬んだことはない。妬む暇があれば、自分でそいつに負けないように努力する。

しかし俺もなんとか飯を食えるようになって、名前も新聞に出たりするようになると、陰口を叩く連中が出てくる。最初のうちはいちいち頭に来たが、これもしょうがないことなのかも知れないと思えるようになった。

だからここで皆に伝えたい。妬む暇があったら、自分が努力して、自分が思い描く目標を掴めばいいんだ。

こう言うと負け惜しみに聞こえるかも知れないが、俺は金持ちの家に生まれなかったことを幸せだと思う。なぜなら、自分で金持ちになる努力ができるからだ。

矢沢永吉も若い頃に言っていた。「金が欲しいと言ってなにが悪い」

そうだ欲しければ欲しいと言えばいい。金が欲しいというのが汚いとかキレイだとか、案外とお金って生きていく上においてはそんなに必要ではないのかも知れない。

でも本当の夢ができるまでは、それも手段としてあっていいと思う。官僚になりたい国会議員になりたい、大企業の社長になりたい、芸能人になりたい。皆、異性にもてたかったり、お金が欲しかったりする。それも目標や手段として持っていていいと思う。

そしてその目標をある程度達成したときに、本当にやりたい夢というものが見えてくるのだろう。

ホリエモンがこんなことを言っていた。ホリエモンの夢は宇宙ビジネスだった。た だ宇宙ビジネスですぐに稼ぐのは難しいと思った。それでITを使って金を稼ぐことを考えた。

ホリエモンにとって、たぶん一番稼ぎやすい方法だったのだろう。しかし今、彼は宇宙ビジネスに本気で取り組んでいるという。今はそれだけの資金が集まったからできることなのだろう。

やり方はいろいろあっていいと思う。初めから自分の夢に向かってコツコツと積み上げて行く方法もそうだろう。またはそのために違う仕事をし、資金をためて夢にチャレンジする方法もいいだろう。

言えることは、諦めずにチャレンジし続けることかも知れない。

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ユニバーサル別府

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