事業で最も大切なのは「シンプルなストーリー」
「御社はどこに向かうの?」
先日、弊社のグループ会社のCOOの方(Nさん)と初めてお話する機会があり、お互いの事業について情報交換をしました。
Nさんは前職では40人規模のベンチャーの頃に入社し、新卒叩き上げで代表まで上り詰めたご経験のある大先輩で、非常にバイタリティがあり長年の経験からのビジネス感覚が鋭い方です。
私の所属している株式会社デジタルシフトという会社は今年(2020年)4月に立ち上がったばかりの会社で、その名の通り企業のDXを支援するべくコンサルティングや人材育成、会員制情報サービスなどを行っています。
ですが、この「デジタルシフト」とか「DX」という言葉は結構厄介で、このwithコロナ時代ではかなりのバズワードとなっています。
先日もNewsPicksの番組内で落合陽一さんが「DX界隈の人たちの鼻息が荒いんだよねww」と言っていたのが印象的です。
コンサルティングファームも「DX」を推進し、ITベンダーも「DX」を推進し、総合代理店も「DX」を推進し、Xtech系のスタートアップ企業も「DX」を推進しています。
企業側もDX推進室とか、株式会社〇〇デジタルみたいな組織を作って、CDO(Chief Digital Officer)を配置する動きが出てきています。
そんな中のNさんからのどストレートな質問。
「米谷さん、デジタルシフト社はどこに向かうの?」
自分のやっている事業領域の話はできるし、会社のビジョンや目標は答えられるけど、このシンプルな質問に対して一点の曇りもなく「ここに向かいます」と即答できない自分がいました。
「4月に立ち上がった新会社、今は色々と模索段階です」「まだ私の中ではハッキリとここに向かいますと言えるまでには至っていません」
と正直に答えました。
Nさんはご自身の経験や客観的な視点を交えながら弊社の向かうべき方向性のアイデアを出してくれました。
そして、そのお話の中で最も重要な事業で最も大切なのは「シンプルなストーリー」であることを教えていただきました。
シンプルなストーリーは市場や株主から注目される。
シンプルなストーリーは従業員に期待と手応えを与える。
シンプルなストーリーはお客様から共感を得ることができる。
シンプルなストーリーは目標設定もシンプルである。
シンプルなストーリーは主に①マーケット②アセット③コミットの3つの要素で構成される。
①マーケット
どのマーケットを狙うのか。魅力的なマーケットか。そのマーケットに参入の余地はありそうか。
②アセット
自社あるいは自身のアセットを活かすことができるか。それはユニークで有効な差別化になりえるか。
③コミット
経営者、メンバーがそのストーリーにワクワクし徹底的にやりきる覚悟があるか。
この3つがそろうと、そのストーリーはシンプルで大胆で、期待が持てて、自ずと注目が集まり、株価や企業価値が上昇し、顧客やパートナーからの共感を得ることができるのです。
日々、変化の激しい環境においてビジネスのマルチタスク化が進む一方で、忘れてはいけない「シンプルなストーリー」これは事業戦略に限らず、日々の一つ一つの業務においても、あるいは日常生活においても大切な考え方だと改めて感じました。
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