見出し画像

103. East Meets Middle East

ヒジュラ暦1442.5.5 (2020.12.20)

4か月ぶりリヤドの自宅に帰ってきたら、賞味期限が過ぎている食品が増えていた。その中の一つにお茶の葉があった。といっても、もともと既に賞味期限が切れていたのだけど、捨てるのももったいないし、そのうち飲むかもと置いていたものだ。

しかし、日本からお茶を買って戻ってきたので、もう、この賞味期限切れのお茶を飲む可能性は低そうだ。捨てるのももったいないしどうしたもんかなと思っていた。

そんな時、ふと、一時帰国している時に何度かお茶屋さんの前を通って、お茶屋さんの香りがよかったことを思い出した。お茶を焙じている香りというのだろうか。お香で「緑茶」の香りとかあるけれど、あれとは全く違う。柑橘系とも違うし、花とも違う。木の香りとも違う。なんというか…

5分考えたけど、香りを表現する言葉が見つからないので、「お茶屋さん香り」ということで話を進めていく(笑)

この賞味期限が切れた茶葉からお茶屋さんの香りを創り出せないだろうかと考えた。フライパンとかで焙じればいいのかとも思ったけど、キッチン発だと、場所的に都合が悪いし、ずっと見ていなければならないので、現実的ではなさそうだ。

ネットで調べてみると、ろうそくが下で燃えているような香炉で茶葉を焙じているのを見かけたが、そもそも、うちにそんな香炉もないし、良いサイズのろうそくもない。

無理か~とあきらめかけた時、ふと、うちにも香炉と呼ばれるものがあることを思い出した。以前、もらったアラブのお香用の香炉だ。

画像1

これこれ。☝
上のは電気式のもので、本来は、下のように炭で香木を熱するものだ。以前、サウジ人の友だちのお宅に行った時に撮った写真☟

画像2

サウジのおうちに招待されると、香りのもてなしがあって、一家の若い人がこの香炉にbakhoor(バフール)と呼ばれるお香を焚いて持ってきて、どうぞ、どうぞと渡してくれる。お客さんはそれを服にまとわせたりして楽しむ。もくもく煙が出る感じだ。下のyoutubeはカタールのものだけど、雰囲気は似ている。

それの電気式。いただいたものの、正直、サウジ(アラブ)のお香を家で焚こうとはあまり思わなかった。決して、嫌な香りではないのだが、なにしろ強い香りだし、それこそ、服とかにあっという間にその香りがついてしまう。サウジ人の家で香りをいただくのは良いのだけど、自分の家でやろうとは思えなかったのだ。

ということもあり、この電気式香炉、1年以上うちで放置されていた。

これ、もしかして、使えるかもと。これで茶葉を熱することができないかなと思って、使ってみることにした。

画像3

使おうと思って初めて気づいたのだけど、これはコード式なので実はコンセントの近くでないと使えないことがわかった。そして、いたってシンプルな作りというか、シンプル過ぎてON/OFFのスイッチすらないのだ。つまり、コンセントに電源プラグを挿すとON、抜くとOFFという作りなのだ。

そんなシンプルさもあってか、説明書もないので、とりあえず、上の受け皿の部分に茶葉を入れて、電源プラグを挿してみた。少し熱くなるまで時間がかかるかなと思って、別のことをしていたら、

♨♨♨♨♨♨♨♨♨
♨♨♨♨♨♨♨♨♨
♨♨♨♨♨♨♨♨♨

1分ぐらいで、焦げ臭くなって、行ってみると白い煙が。もう、完全に何かが焦げた匂い+電化製品の使い始めの匂いというか電線に熱が通った匂い?が部屋中に充満して、すぐさま、電源プラグを抜いて、茶葉を流しへ。

画像4

受け皿が焦げてしまった。失敗だ。

よくよく考えてみると、炭の上に香木を置いて煙を出すようなものだから、電気式のものでも、相当、高い温度になるんだろうなと。この時になって初めてわかった。
側面もかなり熱くなっていて、とても持てる温度じゃなかった。これは、けっこう危ない代物かもしれない。取り扱いに気をつけないと。子どもがいる家では、お気軽には使えないやつだ。

茶葉を直接、置いてしまうとあっという間に焦げてしまうので、もう少し、低めの温度にできないかと考え、アルミホイルで皿を作って、そこに茶葉を入れることにした。それを受け皿の上に置き、もう一度、電源プラグを入れてみると。

♨♨♨♨♨♨♨♨♨

あ~、お茶屋さんだ~~。日本の香りだ~~!

画像5


今回はうまくいったようだ。少し、茶葉をかき混ぜてみると、お茶の焙じた香りが立ちのぼってきた。ただ、3分もするとやはり茶葉が焦げ始めたので、電源を抜いた。

画像6

これでいいかもしれない。アルミホイルの皿に茶葉を入れて、2分程度熱する。これでいい感じの香りが出てくる。

賞味期限が切れた日本茶放置されていたサウジの香炉が出会って、素敵な香りが生まれた。

East Meets Middle East

これ、香りを楽しんだ後は、ほうじ茶としても飲めるものだろうか。

いつもより、ちょっとよい茶葉や甘味をいただくのに使わせていただきます。よいインプットのおかげで、よいアウトプットができるはずです!