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106. お別れのスタイル

ヒジュラ暦1442.8.21 (2021.4.3)

日本は桜がきれいな季節のようだ。SNSできれいな写真をよく見かける。桜が舞い散るこの時期は出会いや別れの季節でもある。

リヤドに住み始めて5年以上経つが、送別会なるものに参加していないことに気がつく(日本人コミュニティは別として)。ただ単に呼ばれていないということも考えられるのだけど、どうも、日本に比べると「送別会」のようなものは少なそうだ。

毎年、驚くことがあって、前学期まで同じ学部で働いていた先生が、新年度になるといなくなっていて、退職していたということがよくある。一言、最後にご挨拶したかったと思うことが多い。

長年、勤められていて、学部への貢献も大きいのに、職場的な送別会は特に行われているのを見たことがない。ただ、これは私の職場だけの話で、他の職場、特に多国籍な職場ではあるよという話も聞く。

日本に留学している友人に「サウジって送別会ないよね」と聞くと、「そんなことはない」という返事が返ってきた。「仲がいい人なら、パーティーをする」と。

そうか、よく考えてみると日本の場合、セレモニーとして送別会があるのかもしれない。時々、困る色紙問題。あるグループを離れる人に対して書く色紙だ。もとは、仲のよい人たちが発案して、みんなに回して書いてもらおうという話だと思うのだけど、いざペンを持ったときに、これといったエピソードが思い浮かばないことがある(笑)

おめでとうございます。どうぞ、お元気で……

後半、回ってきた色紙で一等地が空いているような色紙に、なんとも社交辞令的な言葉を書かなければならないほど、辛いことはない(笑)

日本では、親疎はそれほど重要ではなく、組織として送別するのに対して、サウジだと個人ベースで親しい人たちで送別するのかもしれない。

その友達曰く「好きでもない人のパーティー(送別会)に行きたくないし、逆に自分が送られる時でも来てほしくない」と。

わかる。確かにその通りだ。一方で、私も何気なくリヤドを去るんだろうなと思うと一抹の寂しさはある(笑)


少し場面を変えて、駅で人を見送る時に、バイバイと言ってからどれくらいその場で見送るだろうか。

①すぐに次の行動に移る
➁10秒程度、相手が去っていくのを見て、次の行動に移る
➂相手が完全に見えなくなるまで、見送ってから、次の行動に移る

私はだいたい➂を選ぶ。東京ラブストーリーだったら、織田裕二に「ずっちーなぁと言われるはずだ。

時折、すごく見通しのよい直線で人を見送る時があって、4,5分ぐらいずっと相手が見える時がある。そんな時、相手が一度たりとも、こちらを振り向かず、遠くに去って行くのを見ると、なんとなく心がざわざわっとなる(笑)

そういえば、サウジで人の家から帰る時に、バイバイとなってから、車で去る時に、振り返ると既に、その人たちは家に入っていることがある(笑)そんな感じか~と思うのだけど(笑)これはサウジに限らず、日本でも人によってはそういうことはありそうだ。

たぶん、別に私のことが嫌いだとか、どうでもよいということではなく、そういうお別れのスタイルなんだろう。もしかしたら、逆に私がずっと見送っているのを見て、"よっぽど暇な人なんだぁ”とか"何か言いたいことでもあるのかな”と思われるかもしれない。

お別れのスタイルは文化差、個人差、いろいろありそうだ。

いつもより、ちょっとよい茶葉や甘味をいただくのに使わせていただきます。よいインプットのおかげで、よいアウトプットができるはずです!