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人と比べて落ち込まないために

学生を観てると人と比較して落ち込んだり怒ったりしていて「人と比較しちゃダメー。自分は自分だよ」と言うなぐさめが語られたりしがちだけど、比較しちゃうよねー。
比較しちゃうのはしょうがない。人と関わり、観察し、考察すると、比較せざるをえない。
「比較する」というのは考察のための強い武器だ。それを放棄してはいけない。
だから「比較しちゃダメ」なのではなくて、「比較して落ち込んだり、怒ったりしちゃダメ」なのだ。
じゃあ、比較しても、落ち込まないためにはどうすればいいか。

ひとつ簡単な方法がある。

比較対象を増やすことだ。
「同じクラスの中で、俺ってけっこうダメなほうかも」と思うからこじらせちゃうのであって、比較対象を無数に増やすといいのだ。

同じクラスや身近な人だけじゃなくて、隣のクラス、県内、世界中の人々、大勢と比べる。そのなかで自分の位置がどうなっているのか。順位じゃなくて位置。配置がどこにあるのか。

比較することで、いくつもの目指す方向性があって、いくつもの立ち位置があって、いくつもの利点欠点があって、単純な一方向の目指すべき方向があるわけじゃなく、多様なのだと気づくこと。

どうしても順位で考えてしまって、しかも最下位だと思えてしまうのなら、そのことが価値になる。最下位からのし上がったストーリーは輝きまくるだろう。

比較しまくって、自分の位置を把握することからスタートを切る。

『一人で思う、二人で語る、みんなで考える――実践! ロジコミ・メソッド』 (追手門学院大学成熟社会研究所/岩波ジュニア新書)に、こんなフレーズが出てくる。

調べなければ無知、比較しなければ無理、他人ごとでは無力

比較することで可能性がひろがる。

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