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取材すれば書けるというときの「取材」とは何か。

「取材ができてなければ、原稿は書けない」という原稿を書いたら、いくつか質問をもらった。

たとえば、こんな質問。

取材を受けてきて、取材は下手だったのに良い原稿になっていたことはありますか? あったとしたらどういう部分が追加されてましたか?

この質問だと、「取材」というのを「人から話を聞くこと」に限定しているように読める。だが「取材」は、それだけではない。

前回も引用したように、取材とは

「作品や報道の材料をある物事・人から取ること。」(Oxford Languagesの定義)

だ。

国語辞典オンラインだとこうある。

「物事を調べたり、人に話を聞いたりして記事や報道などの材料となるものを集めること。」(国語辞典オンライン)

つまり、こうやって「取材」という言葉を辞典で調べることも「取材」だろう。

インタビューをして原稿を書くとき、「インタビューをしている現場」はそもそも、たくさんの取材のうちの「ひとつ」でしかない。

インタビューをするまえに、調べる。過去のインタビューを読み、著作があれば読み(「過去すべての記事、インタビュー、著作を集めて読め」と先輩に教わった)、その業界のことを調べる。

そうやって質問項目を立てる。

ここまでも「取材」だ。インタビューがうまくいくかどうかは、その前にやる「取材」がちゃんとできているかどうかに掛かっているといってもいい。

もちろんインタビューを終えた後に、追加で調べるのも取材だ。

インタビューする現場だけが「取材」だ思い込むのは、視野が狭い。


さっきの質問も、「取材」ではなく「インタビュー」なら成り立つ。

インタビューを受けてきて、インタビューは下手だったのに良い原稿になっていたことはありますか? あったとしたらどういう部分が追加されてましたか?

そういうケースはある。あるけど、「インタビューの内容がダメで良い原稿になってた」というのは、稀な事例なので、そこを当てにするのは良くないかも。
インタビューを、後からどうにかしようとするのは、めちゃ大変だよー。だからこそ、事前に取材するの大切だよー。

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