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ジャーナリングRPG向けSRDって?

創作の秘密で、2024年6月23日(日)思考@午睡キネマ✕米光一成『ジャーナリングRPGを作ろうSP』が開催されました。

そのときに「代表的なSRDのリストとかありますか?」という質問があり、それを受けて、なんと、思考@キネマさんが「SDRリスト」を作成してくれました(((o(*゚▽゚*)o)))!
すごい!

ジャーナリングRPGってなに? SDRってなに? っていう人は、ぜひ、思考@午睡キネマ✕米光一成『ジャーナリングRPGを作ろうSP』をごらんください。全3回の講義アーカイブも視聴できます。

以下、思考@午睡キネマさんによる原稿です。



SRDとは?

SRDとは、すでに発売されているTRPGルール(ゲームの流れ、行動解決などのルール)を自分オリジナルのゲームに利用して販売して良いというルールセットです。世界観と設定は考えた!でも、ルールを考えるのは苦手だ!!という人にも、短期間でゲームを制作したい人にもお勧めなセットです。


■ Wretched&Alone SRD

トランプ1枚1枚にイベントプロンプト(日記のお題)を用意し、Kを4枚揃えたらバッドエンド、ハートのAを引き当てたら最終局面に移行すします。最終局面では日記を書く度に1D6を振り、5か6を出したらエンディングトークンを得ます。それが10個集められたらグッドエンドになるシステムです。

オプションとして正気度などの不安定さをジェンガに表現し、崩したら即バッドエンド……なんていう強烈なギミックも利用可能です。


■ Carta SRD

トランプ1枚1枚にイベントプロンプト(日記のお題)を用意し、それと同時に盤面に4*6のグリット状に並べてマップとして利用するのが特徴のゲームシステムです。
自分のリソースが無くなる前にマップを移動して資源を採集し、スタート地点へ戻ることが目的となる「サバイバル」モードと、ゴール地点を開けるためのフラグを集めながら探索する「コレクト」モードでゲームが作れます。


■ Caltrop Core SRD

TRPGで一番不遇な扱いを受けるD4をメインに使おうぜ!っということで誕生したらしい4面体サイコロ愛に満ちたルールセットでは、TRPGでもジャーナリングRPGでもどっちで使えるそうです。
ゲームルール側で詳細に設定されているのは主にダイスロールの方法だけ。3つの能力値から2つ選んで合計値分だけ4面体サイコロを振る「能力値ベース」、ゲーム中のロールプレイやイベントなどで獲得したポイントを消費して4面体サイコロを振る「トークンベース」の2モードが選べます


■ Lost & Found SRD

ジェイソン・モーニングスターのTRPG「The Skeletons」から多大な影響を受けたこのシステムは、人ではなく品物や現象などのオブジェクト視点で世界や持ち主、ひいてはオブジェクト自身の変化を大河ドラマのように書いていくことになります。


■ Firelights Creator Kit and SRD

摩訶不思議な土地での探索の旅を描くことに特化したゲームシステム。メトロイヴァニアというゲームジャンルにインスパイアされています。

キャラクターは一連のアクションを使って世界と対話します。各アクションでプレイヤーは山札から2枚のカードを引き、2d6 + (修正値) 行動判定の結果とカードの値を比較します。その点数が2枚より高いか、1枚より高いか、あるいは1枚も高くないかによって、プレイヤーを物語に導きます。この判定がゲームマップの作成からボス戦までをアプローチしていきます。

■ PRINCESS WITH A CURSED SRD

ゲームに必要なのは2枚のコインとタロットデッキ。タロットはスートや数字意外に絵柄も参照する。コインは2Dの役割を持っており、行動の成否がわからないときは最大2枚のコイントスを行います。その結果が「完全な成功」、「混合/微妙な成功」、「失策」に対応しています。
物語のプロンプトは、個々のカードではなくスートごとにキーワードの羅列として設定されている。大アルカナは、ここにプロンプト・キャラ的アイディア、抽象的アイディアが設定されている。エンディングでは、2つの物語をキャラクターに提示するのがゲームデザイナーの好みなんだとか。

■ PEREGRINE SRD

放浪や旅、故郷や居場所を探すことをテーマにした、カードベースのジャーナリングRPG用のSRD。放浪したり居心地の良い(戦闘や殺伐したシーンを入れたくない)ゲームに重きを置いているため、シーンは時間(季節別、月別、週別など)に分けることが推奨されている。
それぞれのシーンの初めに「シーンの説明」「物語」「このシーン中に答えてほしい質問」を設定しておく。そして、この質問に応えるためにカードを引いて得たプロンプトを使って、プレイヤーはキャラが体験するイベントを作成することになる。

■ Second Guess System

トランプ1枚1枚にプロンプトを設定したくないと考えたデザイナーが、どうすればミニマムなゲーム制作を実現できるかと考案したのがこのゲームルール。ゲーム側が提示した2つの謎に関して、それぞれの謎について同じ1つのプロンプト表を参照しながらイベントを書き留め、ゴールフラグを増減させていきます。最終的に1D6ロールでゴールフラグの値を上回ればトゥルーエンド、下回ればバッドエンドになります。


■ Hints and Hijinx Games

ソロで様々な形式のミステリー(謎解き)ゲームが制作できるルールセットです。定められたロケーションを調査する際に発生したイベントを2つある自分の能力値の1つを使って挑戦や複雑な状況にチャレンジします。失敗すると能力値が低下したりしますが、成功すれば手がかりを得ます。
最終局面で、手に入れた手がかりをできるだけ多く使って仮説・推理を組み立てます。それが正しいかどうかを行動判定で確認し、その結果をもとに最後の日記を書いて、ゲームを締めくくることになります。

■ Powerd by Sentinel SRD

1人の主人公に焦点を当て、現在の状況を探り、人生の過去の出来事を掘り下げ、未来がどうなるかを決定してする物語を得意とするゲームセットです。

トランプ1枚1枚にプロンプトが設定されており、山札からジョーカーが引かれた時点でエンディングを迎えます。結末はゲーム側から3種類用意され、6面サイコロを振って、肯定的な結末、中程度の結末、否定的な結末となる傾向が確定することになります。


今すぐに思い付ける、ジャーナリングRPG向けSRDは以上になります。
これらのSRDを翻訳して活用する場合、配布されているSRDを表すロゴと表記が義務付けられているライセンス表明文を記載する必要があります。

その部分を忘れないようにしましょう。

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