人の話を取る人(創作漫才)
A:人の話を取る人っていますよね。
B:いますね〜、こっちが言いたいことあって話し始めたのに、いつの間にかその人の話になってることありますもん。
A:お分かりいただけただろうか。
B:何?
A:現行犯ですよ。みなさん気付きましたよね。
B:何ですか?
A:今、話取りましたよね?
B:取ったつもりはないです、そういう人がいますよねって説明したつもりだったんですよ。
A:これは、かなり余罪がありそうだ。詳しい話は署で聞こう。
B:行かないですよ。あなた警察官じゃないでしょ。
A:違いますよ。
B:じゃ警察署に行っても、追い返されるだけですよ。
A:いや、今警察署で部屋を貸し出すサービスがあるらしいんですよ。
B:そんなのあるんですか?
A:知らんけど。
B:知らんのかい。
A:知らんけど、って言えば何でもOKになる夢の国があるって聞いたことがあります。
B:そんな国があるんですね〜。って、あるか〜。それは大阪の人がいうやつでしょ。
A:知らんけど。
B:その言葉が出たら会話が終わるので、やめてください。
A:話取られたら、もう終わるしかないでしょ。
B:だからそれは取ったつもりはなかったんですって。
A:では改めて、人の話を取る人のことを話してもいいですか?
B:お願いします。
A:人の話を取る人っているじゃないですか。
B:はい、いますね。
A:おぉ、今度は取りませんでしたね。聞く気満々ですね。
B:いいんですよ、そういうのは。話を進めてください。
A:人の話を取る人への対策を考えたんですよ。
B:どうするんですか?
A:はい。本日ご紹介するのは、話を取られた時の対策についてです。
B:なんか始まった。
A:あなたは気持ちよく話をしています。
B:はい。
A:そこに、話を遮って自分の話をぶち込んでくる人がいました。
B:はい。
A:話を取られたあなたは、話を取った相手をしばらく見ています。
B:はい。
A:頃合いを見計ったら。
B:頃合い?
A:右ストレートをきめてください。
B:シンプルに暴力だった。いやだめですよ、暴力は。今の時代コンプライアンスとかもありますし。
A:ではもう一つの対策の方で。
B:よかった、他にもあるんですね。何ですか?
A:無です。
B:無?
A:無になるのです。そうすれば、全ての事柄は気にならなくなるのです。
B:両極端な対策!
A:ね、いい対策でしょ。
B:私は別の対策を考えることにします。
了
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