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3つの言葉を使って創作。(創作23)


看板 鹿 歩道橋


おしゃれな看板が増えた。

パッと見では何の店か分からないこともある。

何と書いてあるのか読めないものもある。

スマホで調べれば分かるから、看板で何の店かをアピールしなくてもいいのだ。

看板自体が目立っていればもちろん、見た人が気になって、情報を流してくれる。

看板自体が目立っていなくても、店を利用した人が、情報を流してくれる。

気になった人が調べてくれる。

どういう店かは、そうやって次第に広まっていく。

バズりはSNSから発信されることがほとんど。


なのだが、雑誌社に勤めている私は、

次に流行りそうな店を特集することになり、

「バズりそうな店を見つけてこい、見つかるまで帰ってくるな」

とパワハラ混じりに送り出された。


雑誌に載る頃には、もう流行ってるっつうの。

そして、この時代にあの感覚…

編集長がいなくなるのが先か、会社がなくなるのが先か。

どっちにしても、もう辞めてやる。


そんなことを考えながら、カメラ片手に街を歩いていた。

それでも仕事をしようとしている…

仕事人間か、と心の中で自分にツッコんでいると、

スーツ姿の男に声を掛けられた。

「看板にご興味がおありですか?」


男?で合ってるのか?

顔というか、首から上は鹿だし。

角があるから、雄鹿かな。

よくできた被り物だな。

どこで売ってるのかな。


「看板にご興味がおありですか?」

もう一度聞かれた。

『え?あ、はい』

興味があるのはあなただよ、と思いつつ答えた。

「では、こちらに」


私は言われるがままに、その鹿頭についっていった。


歩道橋を渡ったら異世界だった件。


つづく…わけない。



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