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阿賀北ノベルジャム2022参戦記#24「晦日」

コミケ参戦

 大晦日、コミケ101が開催されます。

 それに私も出展します。『走れ雪水米宗!』『春の塑像』そして私の趣味サークルの鉄道模型雑誌『シーカムラインvol3』の3冊の新刊を出します。コミケはだれでも出せるわけではなく抽選があるのですがそれも11月11日に当選通知を受けていました。

 ただ、この大晦日、もう一つタスクがあるのです。それが私のやってる鉄道模型YouTubeチャンネル「北急電鉄」がお誘いを受けた24時間リレーライブ。それもワタクシよりによって31日から元日1日にかけての年超しカウントダウンをやることにしました。コケる訳の行かない重責です。

荷造り

 で、本作りに奮闘してて見られなかったコミケのドキュメント見てると搬入の宅配の申し込み〆切が1日後だったりしてビビります。速攻で申し込みしますが背に汗をかきます。鉄道模型のJAMコンベンションと勝手が違うのでいろいろわからない……。なによりも売り子さんいないと交代もできずトイレにも食事にも行けないことが判明。幸い売り子さんをYouTubeの視聴者さんがやってくれることになり助かりますが綱渡りです。

 時間のない中必要なものをAmazonに次々発注。届くかどうかやきもきします。搬入品は段ボール2箱にまとめて残りは手持ちすることにしますが、ダンボールが手頃なのがなくこれも発注、ギリギリで届きますが……。

 うっ、タペストリーマストが入らない!

 どうやっても入りません。覚悟を決めて2箱のうち1箱を潰して長物を入れられる鞘にしてタペストリーマストを収めます。これで使える箱は1箱のみ。それに売る本を詰め、展示に使う物を詰め、さらに箱を運ぶ台車を納めます。台車は会場では借りられないと聞いているので箱に収まる台車も急遽発注。

 軍資金がガリガリ減っていきます。でもこれはワタクシの戦争なのです。JAM国際鉄道模型コンベンションのときと同じです……何やってんだワタクシ。

 なんとか詰めて佐川急便で発送します。でも宅配、クロネコも佐川も年末のせいでなかなか配送に遅れが出ててヒヤヒヤします。発送はできたけど……。

OBSの準備

 つづいてカウントダウンライブの準備。0時00分をむかえるとこをどうするか。ここコケたらガッカリです。でも時間に合わせて配信用につかうOBSというソフトを駆動するにはどうすればいいんだ?

 するとOBSを自動化するプラグインが見つかりました。決まった時間や条件でシーンを切り替えるプラグイン。でもダウンロードしてみると……画面構成が全然違う。プラグインの紹介ページができた後でアプデされてすっかりかわっていました。表示はすべて英語。わけわからん……。でもない英語力を振り絞ってタイマー駆動を設定することに成功。

 5分の動画を2本作って、そのまんなかでハッピーニューイヤーの表示をいれた動画を作り、狙った時刻の5分前から再生することにします。タイムコードを入れてカウントダウンもできるように。実験をやってみると、おお、成功した!

 動画は永平寺とかの雪の降る除夜の鐘にしようかとおもったけど、せっかくみんなで夜見るなら……寝台列車! ということで弊社フラッグシップ寝台周遊列車「あまつかぜ」のバーチャル乗車ツアーをやってみることにしました。「雪水米宗」にすればいいとも思ったのですが説明が長くなるので今回無理はしないことにしました。

 でも今回、30日31日はコミケ準備にホテルに投宿してるのでいつもの家の機材は使えません。というわけでノートPCとモバイルディスプレイを持ち込むことに。あとは映像キャプチャユニットとHDカム、マイクも持ち込みます。荷物が多い……印刷が段ボール発送に間に合わなかったチラシも入れて、キャリーケースはパンパンでずっしりと重くなります。


30日、出発

 そして30日、いよいよコミケ参戦前進基地にするホテル、天王洲アイルの東横インに出発します。配信は東横インのWi-Fiを使うことにしました。安定して速いことを願うしかない。

 早めに到着すると、昔からの会員なので15時からチェックインできました。ホテルもりんかい線天王洲アイル駅から4分と予想より近くて楽。


 早速準備開始。Wi-Fiは結構速くて安定してます。多めに持ち込んだテーブルタップですべての機器をセットアップ。そんなときに売り子さんから前夜のTwitterスペースのお誘いが来たので限定公開モード配信でリハーサルを実施します。無事カウントダウン配信も成功。売り子さんにも受けてました。これは行ける!!


 夕餉を宿の隣のセブンイレブンで買ったコンビニ弁当で済ませます。弁当2つにサラダ1つ。ペロリと平らげたら眠くなりました。チョイ眠って最後の確認して、眠りにつきます。

31日、大晦日

 そして大晦日の朝。

 シャワーを浴びて、宿の朝餉にはまだ早いけどビッグサイトに向かいます。到着して無事発送しておいた段ボールを受け取ってブース設営開始。鉄道模型走らせたりなぞのポップおいたり。あとタペストリーマストを立て掲げます。ついに夏冬制覇を達成。



 そして隣のブースを見ると……うっ、鉄道模型の室内灯? ディテールアップパーツ? そういうのもコミケで売ってるのか……コミケ鉄道島恐るべし。


 そして売り子さんも到着。程なくして開場。

 隣の室内灯がバンバン売れていきます。私も上品なその輝きをいいと思って思わず買ってしまった。10両分……。でもこっちの本は売れない。

 昼過ぎまでずっと売れません。無料のチラシもなかなか持って行ってくれない。だんだん凹み始めます。まあ無名の人間の書いた趣味に走った本がそんなバンバン売れるほど世の中甘くないのです。当然のことです。

 それにしちゃ売れない……。うぐぐぐぐ。

 悲しくなってきたところに、

 なんとキャプテンハーロック登場

 何言ってるのかわかんないと思います。私も一瞬目を疑った。

 でもほんとにキャプテンハーロックなのです。マジか。

 コスプレイヤーさんなんだけどね。すごく似合っててめちゃかっこいい。

 そしてささっと手早く2冊お買い上げして颯爽と去って行きました。こっちが写真撮る暇もなく。

 めちゃかっこいい……。

 惚れた。

思い出しながら描いたハーロック。
実物はもっとかっこよかった!
写真は撮れなかったけど心に焼き付いた。

 そこからポツポツ売れていきます。YouTube見てますよ、とか、もっと前から知ってました、とか声かけてくれる方も。

 というわけでそれほど売れたわけでもないけどゼロではなく、それよりも買ってくれた人の数より質にめちゃ感動しました。アツいぜ……。心の中ではキャプテンハーロックの数々のアツい台詞を思い出しちゃうわけですよ。

男なら、危険をかえりみず、死ぬと分かっていても行動しなくてはならない時がある。負けると分かっていても戦わなくてはならない時がある。
キャプテンハーロック
お前はお前の信じるものの為に戦え。誰も強制はしない。お前の胸の中にあるものの為に戦え。
キャプテンハーロック
俺は、俺の旗の下に、自由に生きる。
キャプテンハーロック

 めちゃかっこいい……。こういうものを目指さねばいけないよねえ。まさに不朽の名作なのです。

 というわけでコミケ、拍手とともに終了。撤収は想定通り荷物発送窓口まで距離長かったのですが持ち込んだ台車が威力発揮。発送手続きは予約してたのにメールがうまくいかなくてまごつきましたが無事なんとか完遂。

 あとは夜のカウントダウン配信をうまくやるのみ。

カウントダウン配信の準備

 ヘトヘトですがハーロックの言葉を胸に踏ん張ります。タクシーで駅までと思いましたが同じこと考える人多数でものすごい行列。覚悟決めて徒歩でりんかい線国際展示場駅まで。腰も足も痛い……。つらい。


 改札もごった返してたので駅のそば屋さんで年越し蕎麦。でも売り切れの物が多かった。なんとか食べて出ると改札まだ混んでる。でもモバイルSuicaで入ると幸い大崎止まりの列車が来ます。天王洲アイルまで楽に移動。

 そして宿に戻り、買っておいたバンテリンで腰痛をケアし、またセブンイレブンに行き柿安のすき焼き弁当にざるそば弁当などガガガっと買って宿に戻り喫食。

 そのあと配信用コミケレポのスライドと視聴者さんから預かってた投稿スライドの作業をします。そんなときに来年夏の鉄道模型展示のアイディアも。メモをとって一息休んで、NHK紅白のオープニングを見ます。

 そして売り子さんの無事帰宅を確認。あとは私の配信やるだけ。

 2022年12月31日22:45、配信待ちの動画から配信開始。順調に配信が始まります。ちょっと非力なノートパソコンですが、がんばってくれます。

 そして23:00、配信本番。

配信開始

 北急電鉄とエビコー鉄研の行く年来る年、開始。

 順調にスライドの説明をして、23:55、無事カウントダウン動画も起動。ここからは全部作り込んであるので無事再生できるか見守るのみ。でも正確に起動してます。バーチャル乗車のCGも再生順調。カウントダウンの数字もぴったり。

 そして0:00、架空周遊列車「あまつかぜ」の車内チャイムでハッピーニューイヤー!! 2023年を無事迎えました。

 そして2023年1月1日1:00、配信終了。無事に終わりました。

 あとは力尽きて寝ます。……終わった……作戦終了。

2023年元旦

 あけましておめでとうございます。

 元旦朝になって目が覚めます、宿の朝餉を頂き、疲れてたので少し横になってチェックアウト時間の直前に宿を出ます。なかなかよい宿でした。安いし広いし。さすが東横イン。


 帰りは大崎から相鉄線周りで海老名へ向かい、そこからバスで実家に。実家でおせちを食べ、この書き物をすませました。 


実家のおせち

 そして実家でこの原稿を書きました。あともう少しでいつものマンションに戻ります。コミケ101参戦の甲作戦、完遂まであともう少し。

 帰宅しました。再び暁の水平線に勝利を刻みました。でも出費どれぐらいだったんだろう……清算が怖い。

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