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突然ですが、ハ・ジョンウについて③ 「テロ、ライブ 」

韓国の名バイプレイヤー、ハ・ジョンウ。突然ハ・ジョンウについて書きたくなって書き出したのですが、全3回を予定しております。第3回目、最終回でございます。ハ・ジョンウって言葉を日本で一番書くnoteです。

ハ・ジョンウ、韓国人俳優の中でも結構好きなのですが、死神としてマトリックス的なアクション決めたり(神と共に)、女性を殺しまくったり(チェイサー)、ベルリンで北朝鮮の諜報員をやってみたり(ベルリンファイル)とマルチな活躍と安定感がありますが、僕的にはハ・ジョンウの魅力っていうと、一人だけで突っ走るその超攻撃的ワンマンプレイヤーっぷりだと思ってまして。

テロの犯人と交渉しながら生放送する!ほとんど一つの部屋にいる系映画「テロ、ライブ」(2014年)


でました「テロ、ライブ」。僕としては「ハ・ジョンウに一定の縛りを入れて動けなくしてその演技力だけでもってく系映画」として、最も面白い映画だと思っております。

元テレビ局アナウンサーで今は左遷されてラジオ局にいる男が主人公。そんな冴えない男にテレビ局への返り咲きのチャンスが。彼がDJを務めるラジオ番組にある男からメッセージが入り、その男の宣言通り漢江にかかる橋が爆破される。その男は橋を爆破したテロリストだった―


テロリストとの生放送という秀逸な設定


この映画のすごいところは、まず生中継だから主人公がカメラの前から動けないんですよね。つまり、基本的に主人公は移動しない。移動しないのに、外では着々とテロが進行する。もちろん耳爆弾やなんやかんやで主人公のいるスタジオは形が変わったり色々起こりますが、基本的に主人公は最初から最後まで一所に居続ける。

これ、なにがすごいかというと、金かからないですよね。アクティブに爆破し続ける犯人と、それを現場で止める警察、という設定だとすると映像の作り込みに犯人役に警察役にめっちゃ金かかります。ところがこの映画は犯人が誰かもわかっていないので、映す必要がない。主人公は生中継のスタジオにいないといけないから別の場所での撮影が不要なんですよー。


監督はキム・ビョンウ。実は「PMC ザ・バンカー」と同じ監督です。やり口が似てるものなぁ。ということは、「ハ・ジョンウに一定の縛りを入れて動けなくしてその演技力だけでもってく系映画」の開祖はキム・ビョンウ監督か!!!とにかく、ハ・ジョンウへの信頼感は半端ないです。

この監督、テロ、ライブの前にも映画を撮ってはいたのですが、この映画で青龍映画賞の新人映画賞をとったんですねぇ。まだ駆け出しの監督がお金をおさえつつスリリングな映画をとるための設定として、秀逸なのであります!日本でいうとカメ止めかなぁ。お金とかキャストの制約があるからこそ面白い映画ができるという工夫は、ホント心が惹かれますなぁ。


なぜだかずっとほっておいたハ・ジョンウ映画の紹介は以上です。お粗末様でした。久しぶりに韓国アクション映画見たくなりましたなぁ。「泣く男」が今(2022.2.28時点)アマプラで見れます。評価に騙されちゃダメです、とんでもない秀作です。キム・ミニ好きにも必見。血の海を歩く美しいキム・ミニが見れます。(ホン・サンス映画ではそんなシーンあり得ないよね!!!)



(了)

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