見出し画像

COP27を通じて、損失と損害の問題に取り組む。

今、COP27関連の話題で盛り上がっています。
COP27とは、「国連気候変動枠組条約第27回締約国会議」のことです。

世界的な異常気象や一部の国々での戦争により加速するエネルギー危機に関して、脱炭素化に向けて行われている世界的な取り組みが十分でないことを示す科学的データが提示される中、エジプトで開催されています。

今回の議長国エジプトのHPです。

ちなみに、COP27の目標として、脱炭素化による気候変動の緩和に関する議論が挙げられます。

ちなみに、なぜ、気候変動の緩和に関する議論が行われるのかというと・・・
ご存知の方が多いと思いますが、気候変動によって引き起こされる海面上昇や砂漠化等による損害が、様々な国にもたらされているからです。

このような損害は、主に先進国から排出される温室効果ガスの増加により引き起こされていることから、被害を多く受けている途上国は補償を受けるべきであると主張しています。

具体的には、ケニアのウィリアム・ルト大統領は、アフリカ東部で干ばつによる飢餓が深刻化している問題を挙げながら、「『損失と損害』はアフリカの人々にとっての日常的な悪夢だ」と演説しています。

また、豪雨で国土の3分の1が冠水したパキスタンのシャバズ・シャリフ首相は、「我々の排出量は非常に少ないのに、何の関係もない人災の犠牲になった」と先進国側を非難しています。

このような状況下において、「損失と損害」に関する資金支援に対して、先進国側と途上国側で激しい議論が続いています。

実際のところ、気候変動の影響を受けている途上国は、損害に対して、自分たちで費用を負担している状況です。

そんな中、主に温室効果ガスを排出している先進国が立ち上がって、損害を受けている途上国に貢献すべきだという声も上がっています。

とはいえ、2009年に開催されたCOP15において、先進国側から途上国側へ年間1000億ドル(約14兆円)の資金援助を約束していたものの、目標達成したことが、未だない状況です。

そのため、途上国側は、「損失と損害」に関して、新たに基金の創設を求めているようですが、解決の目途は立っていないようです。

COP27について、日本では、まだまだ認知が少ないように感じますが、このような社会課題は、途上国のみに限った話ではありません。

事実、2022年の二酸化炭素の排出量は、2021年と比較して、1%増える見通しだそうです。

これは、流行り病の影響を受けていた国際線の利用数が回復してきたことで、石油利用が増えたからだと言われています。

旅行客が増えただけで、CO2の排出量が増えるということは、つまり、脱炭素化に向けた取り組みが、まだまだ機能していないということだと思います。

この水準のままいくと、2031年には、世界の平均気温が1.5℃上昇するという分析結果が発表されています。

とんでもないことですよね!

これらの社会課題に対して、一人一人が向き合う時期が来ていると思います。
CO2削減に向けて、再生可能エネルギーの利用や、省エネ&創エネ等から着手することが出来ると思います。

創エネに向けて、太陽光パネル設置に関して義務化するという発表がありましたが、現状、賛否両論の状況です。

創エネにより、国民が負担するとされている太陽光パネルの設置費用を回収できる見込みだという意見もありますが、多くの国民がフォーカスしているのは、「国民が負担する」という点のようです。

初期費用をかけたとしても、創エネによりストック型で回収していくことを考えると、いずれプラスになると思いますが、保証のない話ですので、なかなか浸透していかないようですね。

すべての人にとって都合の良い話はないと思いますので、国単位ではなく、一人一人個人単位で、「損失と損害」という社会課題に対して理解を深めていくことが大切だと思います。

話は変わりますが・・・
SDGsのロゴやコミュニケーションをデザインし、社会課題をひと目で伝わるように制作した「ヤーコブ・トロールベック氏」によると、SDGsの17色の円形のロゴには、「すべての目標が一つになり、統合されている印象を与えられる、太陽のような形状」という想いが込められているそうです。

そんなトロールベック氏は「すべてのグローバルな課題にはローカルな解決策がある。一見すると大きな課題でも、小さな行動によって世界は変えられる」とメッセージを出しています。

まずは、一人一人が、「現状を知る」→「取り組む」→「共有する」ことで、社会課題の解決に向けて、着実に前進していくと思います。

仲間という認識の範囲を拡げ、お互いに与えあうことが大切ですよね。

向山雄治
https://humanstory.jp/mukaiyama_yuji/
https://www.instagram.com/yonkuro0801/
https://twitter.com/mukai_yonkuro

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?