見出し画像

破壊的イノベーションの創出を目指し、大胆な発想に基づく挑戦的な研究開発『(ムーンショット)』。

近年、動物の冬眠と同じように、
ヒトの体温を低下させて、活動を停止する状態を作り上げる『人工冬眠』の研究が進められており、2030年にも実用化されるかもしれないとのことです。

2020年6月のことですが、
筑波大学と理化学研究所は、マウスの脳神経の一部『Q神経』を刺激することで、冬眠に似た状態を作り出すことに成功したとの発表がありました。

通常、マウスは、冬眠しない動物であり、
それを、体温と代謝が数日間にわたり低下している冬眠に似た状態にすることが出来たとのことです。

つまり、実際には、冬眠しないにも関わらず、冬眠に近い状態を、必要な時にだけ作り出すことが出来るというわけです。

この『人口冬眠』は、たとえば、
下記のような用途への活用が見込まれています。

1)救急患者の活動エネルギーの低減
一分一秒でも早く病院で治療をすることが、救命時には重要な要素となります。『人口冬眠』により、人体の活動エネルギーを低減することができれば、救急患者の助かる確率が大幅に向上すると考えられます。

2)気候変動等の対応
現在の気候とかけ離れた気候変動に見舞われた場合には、『人口冬眠』することで、乗り切ることができると考えられます。
動物も冬眠するように、『人口冬眠』することで、極力、身体のエネルギー消費を抑えることで、生き延びることができると思います。

3)宇宙旅行、惑星移住のための長期移動
最近、火星に行く話題で盛り上がっていますが、たとえば、火星に到着するまで180日間かかるそうです。その間、宇宙船の狭い閉鎖空間で生活することになります。
以前、JAXAを見学した際に、宇宙船をイメージした閉鎖空間の中に入ったことがありましたけど、数秒ほどでも、圧迫感があるくらいでした。

心身ともにトレーニングを積んだ方なら大丈夫かもしれませんが、それ以外の方にとっては、かなりのストレスになるかと思います。そんな時に、『人口冬眠』をして、乗り切ることができます。

未来技術


そして、『人口冬眠』は、
日本政府のムーンショット型研究開発制度においても、
『目指すべき未来像および25のミッション目標例』
*出所:「ムーンショット型研究開発並びに各分科会の概要」、内閣府、ムーンショット国際シンポジウムのお知らせ(更新)』
として挙げられています。

『ムーンショット型研究開発事業』とは・・・
我が国発の破壊的イノベーションの創出を目指し、従来技術の延長にない、より大胆な発想に基づく挑戦的な研究開発(ムーンショット)を推進する新たな制度です。
*内閣府HPより引用。


『ムーンショット型研究開発事業』は、
下記のように、ムーンショット目標として掲げられています。

【ムーンショット目標】

1.2050年までに、人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現 

2.2050年までに、超早期に疾患の予測・予防をすることができる社会を実現 

3.2050年までに、AIとロボットの共進化により、自ら学習・行動し人と共生するロボットを実現 

4.2050年までに、地球環境再生に向けた持続可能な資源循環を実現 

5.2050年までに、未利用の生物機能等のフル活用により、地球規模でムリ・ムダのない持続的な食料供給産業を創出 

6.2050年までに、経済・産業・安全保障を飛躍的に発展させる誤り耐性型汎用量子コンピュータを実現 

7.2040年までに、主要な疾患を予防・克服し100歳まで健康不安なく人生を楽しむためのサステイナブルな医療・介護システムを実現 


それぞれの目標の詳細を見てみると、結構、びっくりするような未来を想定して、様々なプロジェクトや研究開発に取り組んでいることがわかります。

まさに、SF映画が日常生活に組み込まれるようなイメージです。

あくまで、『目標』であり、『確定』しているわけではないですが、20~30年後の未来に、とんでもない可能性が待っているかと思うと、今から楽しみで仕方がないですね。

可能性を感じるような目標設定をし、
今日も仕事をやりきって、達成していきます。


向山雄治

未来技術 向山雄治


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?