再生可能エネルギーを普及させることでSDGsに取り組む。
最近、再生可能エネルギー(Renewable Energy)が注目されています。
日本では、2050年までの実現を宣言している「カーボンニュートラル」という取り組みがあり、脱炭素化に向けて、再生可能エネルギーを普及させること以外にも、様々な取り組みが行われています。
政府が掲げるカーボンニュートラルの実現に向けて、社会システムそのものを変革する取り組み「GX(グリーントランスフォーメーション)」に注力され始めているそうです。
ちなみに、再生可能エネルギーというのは、太陽光や風力、地熱等、自然界に存在するエネルギーであり、永続的に利用できるものを指します。
・太陽光
・風力
・水力
・地熱
・太陽熱
・大気中の熱やその他の自然界に存在する熱
・バイオマス(動植物に由来する有機物)
etc.
再生可能エネルギーが注目されている背景としては、従来の石油や石炭、天然ガスといった有限な資源である化石エネルギーは、CO2を排出することが問題視されていることが挙げられます。
ちなみに、日本における2021年度のエネルギー供給の割合は、
■CO2などの温室効果ガスを「排出する」もの
・火力発電:71.7%
内訳)
LNG(液化天然ガス):31.7%
石炭:26.5%
石油:2.5%
その他:11.0%
■CO2などの温室効果ガスを「排出しない」もの
・原子力発電:5.0%
・再生可能エネルギー:22.4%
という感じです。
CO2などの温室効果ガスを排出しないものとして、「原子力発電」もあるんですが、いくつか問題点があります。
■原子力発電の問題点
・事故の危険と隣り合わせ
2011年3月に起きた福島第一原子力発電所事故以降は、世界中の多くの国が脱原発に舵を切り出しています。
・高レベル放射性廃棄物は、数万年間、隔離が必要
使用済み燃料を「ガラス固化体」にした、いわゆる「高レベル放射性廃棄物」を、貯蔵施設で約30~50年間冷却・貯蔵した後、300mより深い地下に「地層処分」します。
・燃料のウランの採掘、精製、加工時では二酸化炭素が排出される
・放射能を含む温排水が地球環境や生態系に影響を与える
燃料を冷やすために使った海水は、温排水として海に捨てられるため、海水温度を上昇させたり、生態系に影響を与えます。
そのため、安全で、かつ、自然界のどこにでも存在し、枯渇しない再生可能エネルギーが重要視されています。
再生可能エネルギーを事業として取り扱っている会社も増えてきました。
例えば、Abalance株式会社は、太陽光発電を主力事業としていて、ベトナムにも太陽光パネル会社を所有しています。
そのほかにも、太陽光パネル製造装置を扱う株式会社エヌ・ピー・シーや、コリネ型細菌という微生物を使い、石油に代わるバイオマス由来化学品の研究開発やバイオ燃料を作るベンチャーであるGreen Earth Institute株式会社などがあります。
ただ、そんな再生可能エネルギーを利用する上でも、いくつか問題点もあります。
■再生可能エネルギーの問題点
・エネルギー密度が低い
CO2を排出する火力発電と比較すると、単位面積当たりの電力量は、2600分の1程度です。
・天候などの自然環境に左右され、電力出力が不安定になりがち
電力を貯めたり、不足する電力を補う仕組みを作る必要があります。
そのために、大規模電力を貯蓄する蓄電池の開発も行われているようです。
この辺の問題点は、さらなる技術革新に期待したいところです。
それでは、脱炭素化に向けて、再生可能エネルギーを浸透させていくために、個人が取り組むことが出来ることは、なんでしょうか?
例えば、下記のようなことが挙げられると思います。
1)家の電力を100%再生可能エネルギーに切り換える
2)省エネ家電に置き換える
3)屋根置き太陽光発電を利用する
4)省エネ住宅「ZEH」に住む
3)の屋根置き太陽光発電は、自宅の屋根に太陽光パネルを取り付け、太陽光を電力に変換し利用するものです。
太陽光の発電量が、家庭での使用電力量を上回る場合は、余った電力を電力会社に売電することが出来るようです。
・固定価格買取制度
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/
4)の省エネ住宅「ZEH」は、「Net Zero Energy House (ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」の略称であり、ZEH=「ゼッチ」と呼びます。
「Net」は「正味」という意味であり、「省エネ」と「創エネ」により、実質、消費エネルギーをゼロにするという住宅のことです。
つまり「家庭で使う電力以上に、電力を生み出す住宅」ですね。
そんなZEHには3つの特徴があります。
①断熱
窓ガラス等、断熱性能をアップさせることで、無駄なエネルギー消費を抑える。
②省エネ
省エネ機器を活用したり、「HEMS」を取り入れ、消費エネルギーを管理して効率化を図ります。
■HEMS
「Home Energy Management System(ホーム エネルギー マネジメント システム)」の略。
家庭で使うエネルギーを節約するための管理システムであり、 家電や電気設備とつなぐことで、電気やガスなどの使用量をモニター画面などで「見える化」したり、家電機器を「自動制御」したりします。
③創エネ
太陽光発電システム等により、消費電力を上回るエネルギーを創り出します。
意外と身近なところに、再生可能エネルギーとの接点があることにびっくりしますよね。
『SDGs17の目標 7. エネルギーをみんなに。そしてクリーンに』に該当する再生可能エネルギーを当たり前にしていくためには、国や企業のみならず、一人一人の意識改革と努力が必要だと思います。
「皆が」再生可能エネルギーを使い始めたら「私も」使う、という方は多いと思います。
ということは、まず、誰かが動き出す必要があるわけですよね。
新サービス等が市場に浸透することに関して、スタンフォード大学のエベレット・M・ロジャースにより提唱された「イノベーター理論」というものがあります。
■イノベーター理論
イノベーター(Innovators):革新者 2.5%
アーリーアダプター(Early Adopters):初期採用層 13.5%
アーリーマジョリティ(Early Majority):前期追随層 34.0%
レイトマジョリティ(Late Majority):後期追随層 34.0%
ラガード(Laggards):遅滞層 16.0%
このマーケティング理論によると・・・
情報感度が高く、新しいものを積極的に導入する好奇心旺盛な「イノベーター」や、トレンドに敏感で情報収集をして採用していく「アーリーアダプター」の層の影響力にかかっているように思います。
サスティナブルな社会の実現に向けて、「イノベーター」と「アーリーアダプター」の16%の層と一緒にSDGsに取り組み、さらに「アーリーマジョリティ」の34%の層に働きかけることで、貢献していきます。
向山雄治
https://humanstory.jp/mukaiyama_yuji/
https://www.instagram.com/yonkuro0801/
https://twitter.com/mukai_yonkuro
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