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「大福メダル」 はらまさかず

毎日毎日、暑いし、
何もやる気がおこりません。
大福は、クーラーがきいているもっちゃんちで、一日中ごろごろしながらテレビを見ています。
そこで、出会ってしまったのです。
そう、オリンピックと。
はじめは、何気なく見ていたオリンピック。
大福はいつのまにか、肉球に汗をにぎって応援し、感動していました。

いっしょに見ていたもっちゃんが、紙とペンを持ってきて、なにやら作りはじめました。
「メダルをつくるんだよ」
もっちゃんがいいました。
「大福も手伝う?」
と、もっちゃんが聞いたので、大福はうなづきました。
「はい」
と、差し出された丸い紙に、大福はペンで、
『大福』とかきました。
「ちがうよ、これには金とか銀って書くんだよ」
もっちゃんは、そういってから、
「…でもいっか。大福メダルだ」
といって、ひもをつけました。
「はい、大福、いつもありがとう」
もっちゃんは、大福にメダルをかけてあげました。
大福は思わずにやっと、わらってしまいました。
うれしくて、うれしくて、
「ニャーオー」
と、なきました。
「大福メダル、いっぱい作って、町の人にあげようか」
と、もっちゃん。
大福は、もう一度、
「ニャーオー」
と、大きな声でなきました。

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