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【逗子葉山よむ料理店】#3 サンサンゴゴの、沖縄のおばあの味クーブイリチーと肉味噌

「佳織さんのところはどうかしら」

そう言ってThe Gazeboの菜穂子さんは、逗子に沖縄のカルチャーを根付かせてくれている、あのお店を紹介してくれた。

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逗子市の中心部から少し歩くと、海の気配を微かに感じるエリア。

老舗の自転車屋さんとお土産物屋さんに挟まれた場所にある、ガラス戸を引いた。

「珈琲だけれど、これでも飲んでね」

そう言って、マスクを取りキッチンから出てきてくれたオーナーの佳織さん。今月から始めたお弁当の準備が、ちょうど終わったところだった。

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佳織さんのこの笑顔に、逗子の街は元気をもらってきた。いつも変わらない温かさで、私たちを迎えてくれる。

「最近はお弁当がメイン。お家で3食作るのは大変だから、食べた人が少しでも元気になったらと思って」

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テイクアウトは沖縄ごはん弁当やお子様弁当、タコライスなどを用意。昼時になれば、お客さんが途切れることなく引き取りに来る。

「今は大変な時期だけど、ご飯を食べるときくらいは楽しんでほしいから」

ディナータイムは、もずくの天ぷらやラフテーなどの沖縄惣菜を詰め込んだオードブルも人気だ。

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泡盛のボトルとオリオンビールの提灯を目印に、ぜひ訪れてみて欲しい。

今日もこの場所から街へと、沖縄から繋がる海の風が吹いている。

ここが、沖縄好きが多い街の人たちにいつも元気をくれる場所、サンサンゴゴ。

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サンサンゴゴ
住所:〒249-0006 神奈川県逗子市逗子5-4
電話番号:046-897-0814
https://www.facebook.com/okinawa.sansangogo/
https://www.instagram.com/sansan_gogo/

*テイクアウトなどの最新の情報は、店舗のSNSをご確認ください。 

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楽しむ、とにかく楽しむ。街の看板、佳織さん。

もともと美容師だった、そして意外にも新潟県出身の佳織さん。
でもある時に、もっと人に向き合って接客がしたいと、飲食の世界に飛び込んだ。

「私、やっぱり、人が好きなんだと思う」

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調理はプロに任せて、自分は大好きなおもてなしに集中したい。都内の沖縄料理店で修業を積んでいた沖縄好きの旦那さんと出会ったのもこの頃。

そして2012年、1店舗目である「くくるやー」をオープンするタイミングで、舞台は逗子へと移る。

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「逗子と沖縄って、どこか似てると思うの」

佳織さんはそう教えてくれた。

海あり山あり、文化があり、そしてとにかく人が良い。今まで接客をしていて、困ったことすら無いと言う。

佳織さんが盛り上げ、亀岡八幡宮が連日ぎゅうぎゅう詰めとなる「沖縄祭り」も、今では街の風物詩となって多くの人が心待ちにしている。

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「とにかく楽しいことが好きなだけなのよ」

この場所や沖縄祭りを通して、沖縄出身のミュージシャン、泡盛マイスターなど、素敵な仲間がたくさん出来た。

どうして佳織さんの周りには、いつも人が集まってくるのだろう。

「毎日楽しく過ごしているからかな」

あっけらかんとした答えが返ってくる。何とも佳織さんらしいな、そう思った。

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人と人、街と街。それらをつなぐ佳織さんのこの明るさが、やっぱりいつまでもこの街には必要だ。


いつか笑って、乾杯できるその日まで。

そして2017年、サンサンゴゴがオープンする。
このお店は、10年ほど和食の板前として修行を積んでいて、くくるやーのスタッフの一人だった宇野さんの持ち味を活かせるようにとつくった場所。

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「スタッフは家族そのもの。みんなしっかりしていて、私なんて遊んでいるだけよ」

そう言って宇野さんに全幅の信頼を寄せる。同じ沖縄料理だけど、お客さんの層も雰囲気も全く異なる2つのお店。

サンサンゴゴは、宇野さんの料理の腕と人柄も相まって、街に愛され欠かせないお店となっていった。

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愛する家族とスタッフに囲まれ、大好きな逗子で商いをする日々。早く"あの頃"に戻りたいという思いは日増しに強くなっている。

「ニュースを見ると気の滅入ることばかり。うちも厳しい状況で」

声を落とす佳織さん。元気のない姿を見たのはこの時が初めてだった。

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「でも」と目に力が入った。

「いつか、みんなでオリオンビールで乾杯できる日が来る。その日まで頑張るつもり」

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何気ない毎日を全力で楽しんでいたからこそ、平穏な日常の尊さを誰よりも感じているのかもしれない。


教えてくれたレシピは、沖縄のおばあの味。

そんな佳織さんと宇野さんに教えていただいたレシピは、サンサンゴゴの定食の味で沖縄のおばあの味、クーブイリチー。そして今回は、姉妹店であるくくるやーの肉味噌も、特別に。

クーブは昆布、イリチーは炒め煮のこと。細切りにした昆布を野菜と炒めたもので、沖縄ではハレの日にも欠かせない料理とのこと。とても簡単につくれて、作り置きもできて嬉しい一品。
沖縄では、同じレシピでもおばあによって全然分量が違い、いわゆる"家庭の味"が存在するそうだ。

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肉味噌はアンダンスーと言われる沖縄料理のレシピで、くくるやーのオープン当初からメニューに並ぶ名物メニュー。くくるやーの肉味噌にはラフテーの端っこが入っているため、コクが出てより美味しいのだと教えてくれた。
ご飯に乗せたりおにぎりの具にしたり、白米がどんどん進んでしまう。

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ぜひおうちで、サンサンゴゴの味クーブイリチーと、くくるやーの味肉味噌をつくって応援いただきたい。

このレシピの購読料824円(「ハ」ヤマと「ズ」シを「ヨ」ム)は、全額をサンサンゴゴさんとくくるやーさんにお渡しします。応援の気持ちを込めて、ぜひ読んで、つくってもらえたら嬉しいです。


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