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逗子葉山よむ料理店 第一巻

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逗子葉山の名店の想いが込められたあの一皿のレシピを読むことで、料理店を応援するプロジェクトです。料理店の記事を読んで誰かに伝えることで応援もできますし、レシピを買って金銭的にも応… もっと読む
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記事一覧

【逗子葉山よむ料理店】#10 丸久の、海街の夏を乗り切るゴーヤとキュウリとツナの和え物

食べることも、飲むことも大好きなこの海街の住人が愛してやまない焼き鳥屋さんがある。 逗子駅を出て、地元の人が「水道みち」と呼ぶ通りを歩いて5分。踏切を越え、こんなところにお店なんてあるのかなと不安になるころ、京急逗子線の線路に並ぶようにして年季の入った長屋が現れる。 目立つ看板はない。それでもこの存在感にピンと来たあなた、いいセンスしてます。そう、ここが今回ご紹介するお店。 「この建物に出会って、ここで何かしたいと。それで今の店を始めました」と語る店主の金子伸司さん。

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【逗子葉山よむ料理店】#9 サニーサイドキッチンの、モダンアメリカなハニーマリナードポーク

横須賀市との境にある、木古庭エリア。 大半が山と畑に囲まれた、葉山の中でも自然豊かな場所に木目調が優しいアメリカンレストランが突然現われる。 車で乗りつけ、颯爽と店内に入りステーキやハンバーガーにかぶりつく。 店内の雰囲気は小さい頃、映画で観たような憧れのダイナーそのもの。 着飾って、背伸びすることだけじゃない、自然体だけが醸し出すカッコよさもある。 佇まいでそう教えてくれるオーナーの小沢充さん。 米軍基地が近いこともあって 週末にはアメリカ人のカップルや家族で大賑わい

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【逗子葉山よむ料理店】#8 パウハナの、異国情緒あふれる真面目なガパオライス

まだ人も少ない、池田通りの静かな朝。 この通りには電線が無く、空が抜けるように高い。 その中ほどのビルの3階、街を少し俯瞰して見られるようなこの場所に、アジア料理の名店がある。 ハーブが持つ異国の香りが漂い、フライパンを振る音が聞こえてくる。 今日も朝早くから、ランチの仕込みが始まっていた。 「7時の約束だったのに、前日に7時半に変更してすみません」 忙しい時期に無理を言っているのはこちらなのに、とても細やかに、優しい心遣いをくれる。 雅樹さん美世さんのご夫婦で営

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【逗子葉山よむ料理店】#7 比古ノ家の、和食を極める出汁たっぷりのだし巻き卵

誰しも、いつか行ってみたいと思っているお店があると思う。 ちょっと敷居が高いなと感じていたり、タイミングを逃してしまったり。 この海街に住む人にとって、このお店はそんな存在かもしれない。 今だからこそ言える。 いつもの日常が続くとは限らないから、チャンスがある時に行こうと。 緩やかな空気が流れる海街をキリっと締める端正な佇まい。 少し背筋を伸ばしてまたぐ敷居。 店内にお邪魔すると、店主の菊池基彦さんの表情は穏やかだった。 「昔、親方が言ってたんです。大

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【逗子葉山よむ料理店】#6 マッチポイントの、知る人ぞ知る人気料理ゴルゴンゾーラペンネ

かつて、といっても20年くらい前だけれど、逗子にマッチポイントというスナックがあった。 社交の場、そして憩いの場として地元の人たちから愛されていたそのお店は、ビルの3階から路面店へと移ったタイミングで大きく舵を切る。 母が切り盛りしていた店を、息子の田村大輔さんが手伝うようになったのだった。 いくつかの飲食店で経験を積んでいた田村さんは、常連のお客さんのことも考えながら、少しづつ自分の思いを店づくりに反映させてきた。 壁一面にズラッと並ぶお酒。ここでしか食べられない味

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【逗子葉山よむ料理店】#5 ARiAの、海街の大人も子どもも大好きなラザニア

「良人のとこのラザニアとかいいんじゃない」 つく志の藤枝さんはそう言って、バトンを次の料理店に繋げてくれた。 普段であれば昼は地元のママ友がランチを囲み、夜にはお酒と美味しい食事を楽しむ人々の賑やかな話し声が聞こえる店内。 「こんな時だからこそ、新たな挑戦をしていきたい」 代表の愛良人(ながと)さんは前を向いて、丁寧に話を聞かせてくれた。 逗子市内に複数別ブランドの店舗を経営するがゆえ、今は固定費や人件費の悩みも人一倍抱えている。 でも、悲観はしていない。どう乗り越

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【逗子葉山よむ料理店】#4 つく志の、街に愛され続けるアジフライ

逗子がまだ「逗子町」だった昭和26年、今と変わらぬ場所で暖簾を掲げた。 以来70年、4人の主人によって店は守られてきた。 いつの日も変わらず、美味しい料理とお酒を楽しめる場。 その存在が、この海街に暮らす人にとってどれだけ安心感をもたらし、日々の息抜きになってきたのだろう。 「今はお客さんと会えなくて素直にさみしい」と店主の藤枝浩司さん。 寂しげな表情と、優しそうな笑顔が印象に残った。 サンサンゴゴの佳織さんが紹介してくれたこのお店は、街に愛され続けている逗子の名店

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【逗子葉山よむ料理店】#3 サンサンゴゴの、沖縄のおばあの味クーブイリチーと肉味噌

「佳織さんのところはどうかしら」 そう言ってThe Gazeboの菜穂子さんは、逗子に沖縄のカルチャーを根付かせてくれている、あのお店を紹介してくれた。 逗子市の中心部から少し歩くと、海の気配を微かに感じるエリア。 老舗の自転車屋さんとお土産物屋さんに挟まれた場所にある、ガラス戸を引いた。 「珈琲だけれど、これでも飲んでね」 そう言って、マスクを取りキッチンから出てきてくれたオーナーの佳織さん。今月から始めたお弁当の準備が、ちょうど終わったところだった。 佳織さん

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【逗子葉山よむ料理店】#2 The Gazeboの、ハワイを感じるタコライス

葉山のメインストリートである海岸通りには、浜辺に近いこともあっていつも爽やかで心地よい風が吹く。その通りの中程で、高温の油と衣をまとった食材が織りなす心地よい音が、今日も響いている。 天井が高く、アメリカ西海岸にあるダイナーのような明るくリラックスした雰囲気の店内。大きなドアを目一杯開き、海の風を受けながら、店主の伸介さんと菜穂子さんご夫妻が温かく迎えてくれた。 「フィッシュ&チップス、ぜひ熱いうちに食べてみてくださいね」 この街では、2人によってまるで昔からソウルフー

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【逗子葉山よむ料理店】#1 AID.KITCHENの、セロリのサラダ豆腐シーザードレッシング

逗子駅から少し離れた池田通り商店街。春が来たというのに今年は人通りもまばらなこのローカルな通りを、海の風が通り抜けていく。 お店に入ると清々しい挨拶で迎えてくれるオーナーの郡山南さん。シェフの総平さんは大抵奥のキッチンで忙しそうにフライパンを振っているが、お客さんが来ると顔を上げ、ニコッと笑ってくれる。カメラを構えると、チャーミングにポーズを決めてくれた。 大きな窓から太陽の光がいっぱいに差し込む店内では、スパイスやハーブ、食材が混然一体となった何とも言えない香りが食欲を

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