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水を縫う

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『水を縫う』寺地はるな/著
出版社名/集英社
出版年月/2020年5月
ISBN/978-4-08-771712-9(4-08-771712-7)
税込価格 1,760円
頁数・縦 /240P 19cm

2020.06.15読了しました

「男なのに」刺繍が好きな弟の清澄。
「女なのに」かわいいものが苦手な姉の水青。
「愛情豊かな母親」になれなかったさつ子。
「まっとうな父親」になれなかった全と、その友人・黒田。
「いいお嫁さん」になるよう育てられた祖母・文枝。
そんな6人の家族、それぞれの物語。

清澄、せやな、刺繍したり料理の手際がいいだけでコッチなん?とか言われたらキレたくなるわ。それを女子力高いとか言われてもなぁ〜、ほんとそれな。

水青、過去の周囲の反応ないわ〜、そりゃ可愛いもの嫌になるよな。
圧倒的に加害者が悪いのになんやねんとキレたくなる。

さつ子の全に対するキレの関西弁が、簡単に脳内再生されて(旦那が関西出身なので)面白かったなぁ。 

文枝おばあちゃん、女の子だからとか年齢とかそういう区切りって嫌よね。
うちの祖母もマジそれで萎える。
嫌だったそれを他に言っちゃった自分に落ち込むのもわかる。
あなたの「失敗する権利がある」はほんま名言よ。

全と黒田、君たちは家族だね。私でもそう思う。周りからどう言われようが家族なんだもん仕方ないよね〜て笑っちゃいそう。

と、つい登場人物に感情移入しがちになってしまい、一気読みしてしまいましたよ。深夜から明け方にかけてw
それくらい良かったんよ。
なんとなく思い描く、正しさや普通から少し離れているそれぞれが
自分と向き合って、自分を認めていく各章がとても大切なものに思える1冊でした。
そしてタイトルに繋がるラスト!う、美しすぎますよ寺地先生...

読後、正しいって、普通ってなんやろねと考えてみた明け方でした。


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