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想いを切り取る

痛いような寒さの雪景色の中で、氷の張った湖を眺めている。透き通った氷は、ぬるい日差しで少しだけ溶けてきらきらと光を反射する。唐突な眩しさに少しだけ目を細める。ふと、視界の端に生物の気配を感じる。目を凝らすと、氷の向こうに人影が透けている。それは人なのか、人だったものなのか、ただの幻覚なのか。永遠にわからないまま、永久に溶けない氷の塊を見つめている。

自粛が長引いて、みんな疲弊しているなと思う。私も低空飛行が板についてきて、最近は動画をつけながらだらだらと勉強をしている。もちろん能率なんて最悪で、それでも何もできていない無力感に食い殺されるよりはマシだっていうだけ。フラストレーションだけが溜まっていく日々で、そのうち限界がきそうだなと思う。まぁ結局、なんとかやり過ごすしかないのだけれど。

暇なので、ピアッサーを何個か買った。軟骨ピアスは昔同級生が感染症を起こしていたから少し怖くて、だから一個目は病院で開けたのだけれど、思ったほど大変ではなかったから二個目からはピアッサーにした。少し腫れたけれど、ニードルとそこまで変わらなかったかな。感染症に気をつければ大丈夫そう。軟骨ピアスはかっこ良くて、戦闘力が上がる気がする。耳は普段隠しているから、どう見られるかというよりは自分の問題なのだけれど、かっこいい自分は好きだから。

そういえば最近骨格標本の作り方を少しだけ調べた。今度試しに手羽先でも買ってこようかなと思う。手を動かす作業はいいかもしれない。勉強も遊びも、液晶を見ている時間ばかり長くなっていくから。もしうまくできたら、他の動物もやってみたい。動物の死体を手に入れるのは大変そうだし、難しいかもしれないけれど。

色々なことをやりたいと思ってはいるのだけれど、結局いつも勉強を優先させてしまって、実際に何かすることってほとんどない。気分転換って、大事にしないと壊れちゃうんだけれど、大事にしすぎても壊れちゃうんだよな。難しい。

心が死なないために、できるだけ誰も傷つけないで心を生かすために、好きなものがあるのが一番強いんだろうなと思う。写真を撮ったり展示を見たり観劇したり人と話したり、できないことはたくさんあるけれど、できることもあるから、その中で自分と自分の好きなものを見失わないでなんとかやっていきたい。やっていけるかな。無理かなぁ。


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