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今年の白いこだわり

「●●さん(わたし)、今●●さんが欲しがっていたジャケットがセールになっています!売れちゃうから早く見てください!」と、土曜の夜中にLINEが飛んできて「はて…?」と思いながらサイトに飛ぶと、確かに昨年あちこち探して回ったネイビーのトラディショナルなジャケットがセール価格になっていた。彼女は、昨年わたしが探し回っていたことを覚えていたのだった。かわいらしい後輩に、くすりと幸せな微笑をプレゼントされた気がした。

そうなのだ。昨年の早春、夢中になってくだんのジャケットを欲していたのだった。皮肉にもこの春はそれがトレンドになっており、あちこちで販売されているのだが昨年の今頃は、まったくといっていいほど店頭には存在しなかった代物なのだ。それはそうだ、トラディショナル=伝統的な、というわけで流行のメジャーシーンに取り上げられなければ売れ筋ではないからである。

結局、男性の方が詳しいのではないかと思い当たり、仕事先のファッションに詳しい男性に聞いてみると、「いやそれはもう、ラルフ・ローレンかブルックス・ブラザーズにしかないでしょう」と言われ、実際にその2ブランドでまあまあ思い通りの品を手にいれたのだった。ディテールが理想とは違ったのだけれど、素晴らしいカッティングでとにかく現実よりもスタイルアップできるし、何より「良いジャケットを着ている」と思うと自然に背筋が伸びた。しかし、早春にネイビーのジャケットをそうしたブランドで3着も買ってしまったので、ある程度満足をしたし出費においてもお腹いっぱい!であった。ところが、今年の春はなぜかトレンドになっていて、1/8ほどの価格で素敵な品があちこちに出ている…。絶対に買わない。買うものか。

そして今年のわたしの執着的なブームは、白のシャツ、ブラウス、ドレスシャツ。とにかく白のシャツだ。何軒回ったろう。そのうち1軒で洗濯できない非常に高価ではあるがうっとりするほど美しいドレスシャツを購入したが、もっと普段使いできて(要はじゃぶじゃぶ洗えて)いろんな表情のあるシャツも欲しいな…と思っていた。とにかくネットショップでもなんでも、白いブラウスを探してチラ見すること2ヶ月。今年は運よく、個人的なブームと世のトレンドが合致しているので、探せばアイテム自体はとても豊富に入荷されている。あとは自分の理想とフィットするか。あ、体型のフィットも重要だけど。

予算よりかなり安く、あらゆる意味でフィットする白いシャツを見つけることができた。ボトムとシューズの組み合わせ次第では、カジュアルにもドレッシーにもオフィススタイルにもなりえる多彩な表情のある一着だ。

今日などはもちろん在宅で仕事をしているが、これを着てデスクに向かうとスイッチが切り替わるようでとてもよい感覚。着るものって本当に精神に作用するよなぁ、と今更ながら思う。そして年々、好みがシンプルになっているようでいて逆にこだわりが強くなっているのだ、と改めて発見して不思議な思いがする。お洋服との愛憎関係、最近少し雪解け模様なのである。

photo by Fervent-adepte-de-la-mode

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