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本当のことなど書けない

GW、1日しか実質休めなかったうえに明けの昨日から深夜まで仕事するありさま。そう、これはもう「ありさま」だ!それでも精神がひねくれだしたのは昨日の夜22時が死線だったと振り返る。それまでは大変であっても建設的な仕事に前向きな気持ちの方が優っていたのだから。6日夜22時、一体何が起きたのか。

とミステリー風に書いてみたところで、本当のことなど当然書けるわけもないのだが、1時を過ぎる頃、眼精疲労由来の頭痛がピークに達して「もう勘弁」とばかりにpcを放り出してお風呂に飛び込んだ。とっくに沸いていたのに入るスキがなくなっていた。バスタブのなかで、シャワーを頭から浴びるなかで、髪をかわかしながらも、ずっと「大丈夫、大丈夫。がんばらなくちゃ!」と壊れたロボットのようにつぶやき続けたが、就寝して目覚めたら「大丈夫!…んなわけなかろー」と精神がひねた。頭だけが昨日から変わらず痛み続けていた。

自分を物理的に走らせるのはコーヒー。日に15杯ほどは余裕で飲んでしまって、いつか胃病になった際の自分を想像して「わかっているんです…あの頃のアレが悪かったって…」と振り返っている様が思い浮かぶけれど、すぐさま続けて「けれど、あの頃アレがなくては走り続けられなかったんです…!」と未来の自分も熱弁をふるっている。ところが、今朝においてはコーヒーなんて顔を見るのもいやで「コーヒー」を想像して漂うあの芳香すら胃の痛みを連れてくる。ならばとわざわざミルクフォーマーでふわふわに泡立てたミルクでロイヤルミルクティーを淹れてベッドに戻った。あ、例のごとくやる気の起きないときの「ベッドで仕事」をキメている。

確実に人が落ち込むときって遠因に人がいて、出来事を連れてくるのも決まって人なんだけど、ふっと視界を外して遠くに行ってみると「ゆーてもあの人もあの人の職責のなかで、たまたまわたしと相容れない文化のなかで、おそらくは精いっぱい正しい仕事をしてんだよなー。何も “登場人物A悪人” って話じゃないのよ」と思うことができる。そんできっと、「いやだなー。こういうこと言うと軋轢が生まれないわけないんだけどもさ、職責を果たすうえで言うべきが正義だよなー」って葛藤して言ってるのかもしれないなって思える。思えるくらいには年を取った。えへ。

それでもヒューマンですから自分も。つかれたよ。

めっちゃ働きまくりの日々、いつ光明が差すの?そんな大げさな話じゃないけど、いつこの流れは終わって関係者全員ひとつになれんの?みんな正しいのになんでこうなるの。はー、とおっきなため息をついてみる。

大人になったもんだ、と感じるのは、こういうときに飲み込まれなくなったこと。自分一人悩みに悩んで追い詰めて、今すぐ解決しないとならないと考えすぎて、他人の動きを息をつめて待ちながら刻一刻と過ごすような視野の狭さがなくなった。だから自分を責めないし、やるだけやったら事態が動くまで放置できるようになった。亀の甲より年の劫です。

今心を占めているのは先日見かけたマロニエの花。マロニエには白い花もあるというのだが、いまだかつて赤しか見たことがなくて。5月と言えばマロニエの花が天に向かってトーチのように咲き誇る時期。間もなく欅並木も新緑の圧倒的な緑で萌える頃。美しい5月を夢想しながら、脈打つこめかみの痛みで現実に還るのだけど。

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