エレガント系アートメイク

金曜日。まゆげにアートメイクを施すために美容外科を訪れると、「ご希望の形は」と見せられたステンレスの医療用バットにキャラメルコーンが並んでいる。

三つ並べられたキャラメルコーンを上から順に指差しながら「カワイイ系なら平行眉、クール系なら上がり眉、ナチュラル系ならアーチ眉がおすすめです」と医者から案内されたけれど、どれもアンパンマンの眉にしか見えなかったので困惑し「エレガント系がいいです」と言ってみる。

医者が胸ポケットに手を入れて「それならこれですね」とニッコリ頷きながら、かっぱえびせんを摘み上げる。スナック菓子を眉にあてがわれ手鏡を向けられ「ほら気品あふれる感じ」などと誉められる。

アートメイク：皮膚に針で色素を注入し、着色する施術。タトゥーよりも浅い皮膚の表面部に色を入れるので数年で消えていくという特徴がある。