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2018年6月の記事一覧

のう

のう

ぷかぷかと揺らぐ煙を見て思う。縛られたことに対する解放から得る「自由」の錯覚は危険だと。それでも人は自由を掴もうとする。それがいくら愚かな認識であろうと、私たちはそれらを手にしてみて、手のひらでころころ転がして、安心したいのだ。ゆっくりと歌をうたう。私の声は、私の「自由」になっているだろうか?

今日が毛布で泣いているシャツは脳内、赤い花がひとのうちに入る。浮かぶ動作に大きな遮断機が歩行
柔軟なア

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アメリ:映画感想文

練乳をかけた食パンを焼いた。練乳は焼くとふくらんで、すこしこげた。甘くて、フレンチトーストみたいに少しやわやわとしたその食パンを午後3時のわたしは食べた。
いまは、オーブントースターのまわりがほんのりと甘い香りがするくらいしか、その事実の断片はない。けれども、その香りがわたしを少し幸せにする。おいしかった記憶と共に。

映画をみた。「アメリ」をみた。とても素敵な映画と感じた。
ただ、アメリという人

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ふりかえり

ふりかえり

「世の中がどうでもいいもののように思える。憂鬱の美しさ、切なさ、電灯が規則正しく並んでいることなど、どうでもよいのだ。
世の中は下水の通る道のようだ。汚れきって、人が--していて……。
とにかく私は生きるのが苦しい。世の便利さには、驚かされるし、深海には憧れるが。」
2017年の自分の日記を読んでいた。上記はその一部になる。読み取れない箇所もあったが。

今も日記を書くことはやめていないが、こうし

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