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漫画村の話から……

知人や同僚たちと稀に話題に上がる「漫画村」。
星野ロミ氏に対して「許せない」と思う人もいれば、「別に気にしない」とか「むしろ好きだ」という人もいる。

私自身は、彼の行為に対して「別に気にしない」派で、彼に実際に会ったことはないので人柄についてはわかりかねるが、メディアでの表面的なイメージを見る限りでは、好感を持っている。

だが、「彼を許せない派」の人たちはそう聞くと攻撃的になる。
特に、「漫画を愛している(という)人」たち。
「正義」を振りかざす人はしばしば恐ろしく攻撃的になり、「悪人」と決めた人に対して糾弾が止まらない。
私が彼に好感が持てると言った瞬間、なぜか「漫画を粗末に扱う人」としてレッテルを貼られたことに驚いた。

「漫画が好きならあんなことはできない」「あのサイトのせいで売り上げが下がった」など聞くけど、本当に「そのせいだけ」なのかと首をかしげたくなる。

私自身は「無料で読めても好きなら買う派」なので、無料で読めるから買わないという考えには結びつかない。
もしかしたら多くの日本人はそうなのかな。
自分が住まうアメリカでは海賊版サイトが無数にあって、コンテンツやソフトを結構簡単に無料で利用できたりするけど、ファンはそれでもクリエイターをサポートするためにちゃんと購入する人が多い(少なくとも自分の周りはそうだった。)
私がコンテンツを持ってるから貸してあげるよといっても、「応援したいから自分で買うよ」って人が多くいた。)
真のファンとは、そういうものじゃないのだろうか。
無料で読めるからといって、支持しないというわけではない。
私の身近な統計では、日本人ほど「無料」にこだわる人が多いように思えたが、世界的な経済理由も絡んでいるのかな。金がないから心にも余裕が生まれない……的な?知らんけど。

先日、千原せいじ氏が
”漫画好きな人間には、アレできへんねん。人の知的財産で商売して、作った側に還元しないって。作家さんに還元できひんことが申し訳ないと思う。嬉しかったもん、今。『漫画好きじゃない』って言ってくれて。これで漫画好きって言ったら頭おかしいやろなって…”
と言ってたけれど、これ、私は二次創作で売って稼いでる人に言いたいわ。
二次創作者なんて直接的に他人のキャラで金儲けしてる
じゃん。

出版社側が黙認してるから、違法ではないし、愛を持ってやってるから(←?)と主張するけど「人の知的財産で商売して、作った側に還元しない」に直に当てはまるのは二次創作だと思う。

日本では合法なのだから、二次創作している人に直接どうこういうつもりはない。友人の中にも愛を持って二次創作してコミケで売ってる人はいるけど、私が口をだすことではないし、版元がなにもいわないなら外野がいうことではない。
ただ、もし自分が作者だったら、読んで嬉しい作品と嫌な作品があるかもしれないので、嫌な気分になるものは描いてほしくない。
法律云々省いて、モラルの問題。
自分の創作物をそのままの状態で無料公開されるより、自分のキャラクターが他人によって好き勝手に描き変えられ、それでいて金儲けにされるなんて絶対嫌だわ。
愛を持って描いてくれるのは嬉しいけどファンで、愛を持ってやってるっていうなら全て無料配布でいいじゃんか……って
思うってだけです。

「人の知的財産で商売して、作った側に還元しない」
周囲の「漫画好き」という人たちは、違法行為そのものに対して怒っているのか?
それとも、作品や作者が傷つけられることに対して怒っているのか?
どちらを主に問題視して攻撃しているのかいまいちよくわからない。



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