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落としたバナナの行方

年末年始休みに、switchで友人と遊んだ"ドンキーコング"。




1994年の発売から、随分と長い年月が経った今、
これ程までに色褪せないゲームがあるでしょうか。



大人になってやり直しても、相変わらず難しいし、面白い。



しかし、アクションゲームが苦手な私にとっても、
ドンキーは決して、"ただ難しいだけ"ではありません。



それは、プレイしている中で、要所要所に、
前に進むための"何気ないヒント"が散りばめられているからです。




"ゴールに向かうなら、この方向だよ"


"こっちに行くと、何かあるかも!?"


"ここで、「R」ボタンを押してごらん"




初めて、そのゲームをプレイする小さい子供でも、
感覚的に何かを掴むことが出来る、絶妙な難易度設計。



ドンキーコングというシリーズを通して、
それを可能にしているのが、"バナナ"の存在です。



矢印やアルファベットの形に並んで、
なぜか目の前に浮かんでいる、不思議なバナナ達(笑)。


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大人が親切に、言葉であれやこれやと説明する手間を、
このゲームは、バナナで省略していると言っても(笑)過言ではありません。






2プレイヤーモードで、久方ぶりのドンキー1を楽しんでいた時、
友人がポツリと呟いた言葉が、何とも印象的でした。




"最近のゲームは、こういう工夫が無いんだよなぁ"




それを聴いたとき、ドンキーに出てくるバナナに、
実はどれだけの意味があったかを、初めて考えさせられました。







今や、取扱説明書などは同封されないのが主流とのこと。



キャラがくどくど説明したり、やたらチュートリアルが多いなど(笑)、
プレイヤーに"分からない"と言われないが為に、
ゲーム自体が、どんどん冗長になるという弊害が生まれているそうです。







バナナを並べれば、何となく伝わる。




これが実は、どれだけ凄いことだったのかを、
30を過ぎた歳になってから、ようやく思い知らされた私。






スーファミのソフトに熱狂していた頃から、時代は移り変わり…。



気付けば、「PS5」まで発売されるようになった昨今。






最新技術の粋を集めた、2020年代のゲーム業界は、
四半世紀が経ってなお、"あの時落としたバナナ"を、
今もまだ、見つけられずにいるように感じます。

その100円玉が、誰かの生きがいになります!