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小さくなる居場所。 ー『たびする木馬』ー<3>

季節がいくつも移ろうと、だんだんと遊園地に来る人がまばらになり、閉園することになりました。(たぶんあの少年はもう少年ではないのでしょう)
ブランは兄弟の木馬たちと離れ離れになり、心沈みながら隣の国の小さな遊園地に引っ越します。


実際の原画の色味は少し異なります。

そんな消沈するブランに女の子がリボンをプレゼント。お揃いの素敵なリボンです。これだけで場面が華やぎ、ブランの心にも温かさが宿るのを感じます。
よく見ると、前回ご紹介した黒豚さんには少年とそのお父さんらしき姿が。豚さんはブラン同様人気のようです。ブランの後ろには最初の遊園地から一緒の仲間であるフクロウ、ロバ、白鳥は後ろ半分だけ見えます。(フクロウの乗り物も珍しいですよね。観たことがありません)このメリーゴーランドではブランを含めて乗り物はたったの5台のようです。ブランの足元の伸び縮みする棒が短くなっていたりと、この絵からも分かる通り、確かに小規模になってしまいました。


牡丹靖佳『たびする木馬』(アリス館)絵本原画展
|会期| 2023年8月18日(金)-9月3日(日)
*会期中、8月22日(火)・25日(金)・29日(火)はおやすみ



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