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憧れの本屋さんの仕事の話~森田めぐみ『書店員は見た!本屋さんで起こる小さなドラマ』

やすこさんへ

前回のお手紙は中年体育、いやホント大事よね。年を取るほど運動大事。しかし仕事はデスクワークだし、家でもソファの主のごとく座ってばかりいる私。座り時間が長いのは健康に悪いってよく言われるし、我ながら将来が危ぶまれる。立て!立て私!

立ってやる仕事、の中で私が唯一やってみたいと思っているのが書店員さんなんだけど、最近は書店の仕事の大変さ(と面白さ)を書いた本が色々出ているよね。それらを読んでいると仕事量は半端なく多そうだし腰は痛めそうだし、結構ハードそうだなと理解しつつも、やっぱりムクムクと『本屋さんで働くの、面白そうだなあ…』という思いが湧きあがります。この本もその一つ。

書店併設型のカフェ店員募集に応募したら、なぜか書店員として採用された作者の、お客さんとの愉快な交流の記録です。

よくある「〇〇という本はありますか?」の問い合わせ一つにもなかなかクセがあって、タイトルが間違っているとか(『名を名乗れ』って本を探してるんだけど…って言われて何の本かわかる?)、タイトルも作者もわからないなんてことも日常茶飯事らしい。お客さんの話を聞いて、「この本では?」と推理する。大変だけどなんだか楽しそう。
作者も「こんなへんてこりんで面白い職業、他にないかも」と書いています。

意外だったのが、『保育士の彼女にプロポーズする時、指輪と一緒に渡す絵本は何がいいだろう』とか、『若い者の気持ちがわかる本を買いに来た』などの相談もちょくちょくあるらしいこと。書店員さんにそんなコンシェルジュサービスまで求めていいの?と驚いていたら、「何かおさがしですか?」と自ら声をかけることもあると言うからさらに驚き!アパレル店員さんのようだ、と思っていたら、先輩から「ニュータイプ書店員」と呼ばれていると書いてあって、あ、やっぱりね、とちょっと笑った。

でも、思い出したけど私も書店員さんに話しかけられたことがあったわ。常連だったし、私の服装や買うものがその店員さんの好みとドンピシャで、「趣味が合う人!」と気になる客だったみたい。「〇〇(付録付きの女性誌)今月号はもう買われましたか?」っていきなり聞かれて、買ってないと言ったら「今月号の付録はすっごくいいですよ!」と(笑)。

この作者さんも常連さんの本の好みまで憶えているし、絵本からビジネス書まで、幅広いジャンルでおすすめ本を紹介することができる、めちゃくちゃデキル人。この人の働いている本屋さんに行ってみたいな。こういう面白い書店員さんがいて、交流まで楽しめるとなったら、本屋さんがますます楽しくなるよね。

2024年8月2日
かおりより

追伸:『名を名乗れ』の正解のタイトルは何か、ちょっと推理してみてね。ヒントは<大ヒットアニメ映画>。わかるかな?

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