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ゴミ箱と会話

相手に声が届かない
がんと殴っても
反作用で自分の手が痛いだけ
何も聞こえてないみたい
何も感じてないみたい
ゴミ箱に向かって話してるみたいだ

私はひどく怒ってしまう
何で私が言うことを聞けないのかと
でもそれもちっとも響かない

どうせ私の言うことはくだらないさ
くだらないけど伝えたい
映画のどうでもいい小ネタのワンシーンみたいな
コスパもタイパも考えてないから倦厭されるのかな
サブカル臭くて無駄感があるからかな
原価率高くて可食部少ないからかな
私が声帯を振動させて調音器官を通して発する音波だけ他の音波に比べてそんなに価値がないのかな

何言っても「うるせえ、黙っとけクソが」
なんてことも言ってくれない
会話というものが成り立たない
私はゴミ箱に反響する音波に耳を痺れさせる
おーーーーい!!
おーーーーーーーい!!!

「見て、この写真」
え。
「今日友達とランチ行ったんだ〜」
あ...
うん...

彼(女)は脈略のある会話をすることができない

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