見出し画像

ふたご座流星群2020

2020年12月13日深夜ごろ、ふたご座流星群が今年の活動のピークを迎えます。平たく言えば今週末は流れ星がめちゃ見えます。関東の予報は快晴!

せっかちな方のために先に見方を説明します。やるべきことはただ一つ、21時ぐらい以降に、夜空をぼーっと30分くらい見上げるということ。2時くらいまでふたご座が高く上がるほど数は増えるので、晩ごはんとかいろいろすませて22時くらいから見始めるのがおすすめ。時間さえ合ってればどこ見ててもOKです。流れ星を見るために重要なのは、どの方向を見るか、よりもどれだけ広い範囲を見渡せるか、なのでなるべく空が広いところを選ぶのがよいです。で、あと流星群とはいえ少なくとも15分くらいはがんばってみることが大事です。13日だけでなく前後数日も普段より多くの流星が見られます。以下では、もう少し詳しいおすすめの見方とそもそも流星、流星群てなんなんということを書きます。

流星群のたのしいみかた+α

やるべきことは冒頭に書いたように夜遅くにぼーっと空を見上げるだけでよいのですが、やったことない人のためにもう少し具体的におすすめの手順を書いてみます。まず、12月の夜は寒いです。最低でも15分は粘る必要があるので、まずは寒空の下そのくらいしのげる程度に防寒しましょう。やる気次第で寝っ転がれる装備と温かい飲み物を用意すると最強になれます。15分ぼーっとするのもめんどいという人は、遅めの帰り道にいつもより気持ち上向きに帰るだけでちょっといいことがあるかもしれない程度に思っといてください。相手は宇宙です。どっしり構えていきましょう。

で、まああとは星が流れるのを待っていればいいのですが、せっかくなので流星を待ちながら明るい星をつないだりして時間を過ごしましょう。冬の星座は明るく結びやすいものが多いし、星をつなぎ始めたら流星のことなんて忘れるくらいそれ自体楽しいことなので。スマホを空に向けるだけでその先にどんな星座があるか表示してくれるアプリをおともにするとよいです。iPhoneなら星座表っていう無料のやつとか。まずは都心でも簡単に探せる「冬のダイヤモンド」を結ぶのがおすすめです。めちゃくちゃ明るいシリウス(おおいぬ座)、プロキオン(こいぬ座)、ポルックス(ふたご座)、カペラ(ぎょしゃ座)、赤っぽいアルデバラン(おうし座)、リゲル(オリオン座)を順につないで描く大きな六角形をこう呼びます。顔と名前が一致しなくても、まあテキトーに明るい星6つを大きくぐるりとつないでいけばだいたいそれであってると思います。ほんとです。

流星群の流星はふたご座という星座の方向から飛んでくるように見えますが、特に知らなくても問題ありません。この星座が高く上がってさえいればどの方向にも星は流れます。本格的に探すなら、スマホの画面は最大限暗くしてあまり見ないようにし、街灯などの明るい光も目に入らないように気をつけましょう。目が暗い場所に慣れるのには時間がかかる割に、明るいものを見るとすぐにリセットされてしまうからです。そして流れ星は厄介なことに暗いものほど数が多いのです。目を慣らすという意味でもやはり30分くらいは探してみるのをおすすめします。防犯にも気を付けつつ、できるだけ見通しがよく灯りの少ないところで見ることをおすすめします。

流れ星の正体

ところで、流星というと燃えた岩が降ってくるようなイメージがありますが、その正体は何だと思いますか?

1メートルくらいの大きな岩かと思いきや、実は大きさわずか数ミリ〜数センチの砂粒か小石みたいなものが放つ輝きなのです!

その砂粒は彗星がかつてその通り道に残していったもので、砂粒の筋と地球の通り道がうまく交叉するときにたくさんの塵が地球に飛び込んできて流星として見えます。というわけで、星が流れるというよりは実は、我々のほうが宇宙空間上に漂う砂粒を迎えに行っていると言うこともできるのです。ワープするときの集中線を流れ星が可視化するみたいなイメージ。星が降るのではない、我々が宇宙を昇っているのだ!

こういう仕組みを知った上で、宇宙の中での地球の動きを想像しながら流れ星を探してみると願いごととかどうでもよくなることうけあいです。ちなみに流星はいわゆる「天文学」の対象としては最も近いものの一つで、その我々からの距離はわずか100キロくらい。東京からみる富士山くらいの距離感。それを見ながら願いごとする人もいれば、太陽系の起源を探る人もいる。いろんな人が同じものを見ながら全然違う世界を組み立てている、科学と文化の交叉のようなものを感じられるのは、流星のような身近な天文現象の面白みの一つです。3回唱えれば願い事がかなうという考えがいつどこで生まれたのかは天文学では明らかにできませんが、太陽系の起源と同じくらい人を引きつけてやまない言い伝えであることは間違いないでしょう。

国立天文台のくわしい解説サイトもあわせてどうぞ:
ふたご座流星群が極大 https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2020/12-topics01.htmlふたご座流星群とは https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2020/12-topics01.html

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?