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キャリアにおけるおとなの夏休み -キャリアブレイクという考え方-

学生時代の有難みは大人になってから分かるものだと実感しています。
「学生時代にもっと勉強しておけばよかった」とか「もっとアルバイトやサークル活動を経験しておけばよかった」など、後悔しているという声はよく聞きます。
それは私も同じです。社会人ともなれば、親から経済的にも独立し、生計を維持していかなければなりませんから、やりたいことだけに専念するというのは難しいものです。

それに加えて魅力的なのが「夏休み」です。
子供の頃から心身ともに疲れやすい私にとって、夏休みという長期の休みは、絶好の心身の回復の機会でもあり、また、それまでの日常を振り返って2学期以降をどう過ごすかを調整する期間でもありました。

折に触れて「学生は夏休みがあっていいな」と思っていた私の目に入ったのが、労働政策研究・研修機構内で発表された前田信彦教授の「欧州における長期休暇制度」という特集記事。
本日はこちらについて感じたことを綴っていきます。


世界的な労働時間に関する政策の取り組み



近年の欧州において、賃金のみならず、労働時間に関して新たな制度変更の取り組みがなされています。
これは、長い「職業生涯」において労働時間の在り方を見直していこうというものです。

これには2つの背景があり、一つは人口高齢化に伴う「職業生涯」の長期化と、社会保障給付費の膨張です。

日本でも年金制度は老若男女問わず議論になりますし、少子高齢化に伴い、労働人口確保の為、就労意欲のある高齢者の就業機会の促進を目的として65歳までの雇用確保(義務)と70歳までの就業確保(努力義務)が令和3年4月1日から施行されています。

またもう一つは、長時間労働と労働の強度(負荷)です。
慢性的な人手不足により、労働者一人に係る負荷が大きくなり、職場におけるストレスや精神疾患が増大しています。

労働者から労働時間を短縮したい、または賃金補償がなくても長期間の休暇を選択したいという声を受けて、労働時間制度の見直しによる職業生涯におけるQOL(Quality of Life)と生産性の向上を目指すこととしています。

以下、各国の政策を簡単に記します。


各国における長期休暇制度


スウェーデン
サバティカル休暇制度と呼ばれ、金属2年以上の労働者が、賃金の68%の支給を受けながら最長1年間の休暇を取得できる。
申請者の約半数は50歳以上、55~59歳の労働者が全体の22%を占めており、72%が女性だったとのこと。

フィンランド
ジョブローテーション制度が長期休暇制度の一つとして1996年に導入されている。
フルタイム従業員は90~359日日の範囲で休暇を取得することができる。
休暇の使途に制限なし。教育訓練、リハビリテーション、子供のケア、趣味などに利用可能。
この間、労働契約は凍結、失業手当の60%が支給される。

フランス
いくつかの長期休暇制度があり、その一つがサバティカル休暇で使途に制限がなく、期間は6~11か月。
対象者は、申請時に勤務する企業における勤務年数が3年以上、かつ通算の勤務年数が6年以上であり、当該企業で過去6年間に長期休暇を利用していないことが条件。
サバティカル休暇終了後は、元と同じ仕事、もしくはそれに類する仕事に復帰でき、元と同等もしくはそれ以上の給与が支給される。
ただし、その間無給のため申請者は少ない。

イギリス
欧州の中でも長時間労働問題が深刻化しているイギリスでは、長時間労働文化の是正、生産性の向上、女性の就業率の上昇と育児との調整、少子高齢化、労働条件の整備を目標にした「ワーク・ライフ・バランスキャンペーン」が2000年3月より実施されており、制度の拡充が図られた。
その一つとして、父親休暇の導入により、子供の父親に対して2週間の有給休暇の付与を始め、女性側の制度も拡充しているが、イギリスは法律で規制するのではなく、企業の文化に委ねたいとしており、長期休暇制度についても国家による制度化はされていない。
あくまで民間企業と労働者間の個別交渉で行われている。

ベルギー
欧州の中で先進的な長期休暇制度として注目されてきたのが1985年7月以降に適用されたキャリアブレイク制度、これは欧州で初めて適用された職業キャリアの中断制度といえるもの。現在はタイムクレジット制度として再編されている。
利用者は女性に多く、年齢的には25~39歳の子育て期、50歳以上の高齢期が多い。
休業中は月額約5万円が支給され、解雇から法的に保護される。

タイムクレジット制度(職業キャリアの中断)は、出産・育児休暇、父親の育児休暇、介護休業といった休暇制度とは別に法制化されている。
休業の内容については①完全休業もしくは1/2労働時間の短縮、②4/5労働時間の短縮、③50歳以上の高齢労働者に対する労働時間の短縮、といった3つの権利がある。

タイムクレジット制度とは、仕事と生活の調和に関する制度と言い換えることができ、単なる休暇制度は違う点が大きい。


おとなの長期休暇

これまで私はライフイベントの変化に伴い、職種や雇用形態を変えながら30年近く働いてきました。

とは言っても休みなく働き続きてきた訳ではなく、専業主婦の期間が在ったり、失業給付を受給したり、教育訓練を受けたり、親の介護で職業生活を中断した期間もあります。

と、ここで自分の発した言葉に、何とも言えないモヤモヤした不快感に気付きます。
それは「職業生活を中断」という部分。きっと私は “失業”に対して罪悪感にも似たネガティブな感情を抱いていたからこの言い回しが自然に出たのでしょう。

日本において、社会人になって長期の休みと言えば、各企業にもよりますが、年末年始やお盆休みが大半で、有給休暇と合わせても最長で2週間程度ではないでしょうか。
更に単身者以外であれば、なおさら自分の都合だけで学生のように1か月近く休むことは難しくなります。

「キャリア」には「外的キャリア(役割、役職、経歴等)」と「内的キャリア(生き甲斐や、継続して積み重ねている生活・人生そのもの)」の両輪があり、その人の人生が語られます。

先ほど私が「キャリアの中断」ではなく、「職業生活の中断」と表現したのは、「外的キャリア」の中断であって、失業していた時も、専業主婦の期間も、転職に関する講座を受講していた時も、日々を積み重ねており、「内的キャリア」まで中断した訳ではないからです。

とはいえ、社会構造が変化し、終身雇用制度が崩壊したと言いながら、まだまだ昔の価値観は根強く、失業や無職にはネガティブなイメージが付きまといます。

夢を形にするために仕事を辞めて留学をする
長い職業生涯を考えて、今は無理せず時短で働く
質素でいいから丁寧に暮らしたい

これらが内的キャリアを充実させるための決断だったとしても、今の日本の社会システムでは、容易に理解されることは少ないでしょう。

都合の悪い現実から目を背けて、楽な方向に逃げることを「現実逃避」と言いますが、実際は挑戦したいことがあっても、前向きな失業を選択したくても、世間の目が気になって「現実に逃避」しているのかもしれません。

人生100年時代、疲弊してなお走り続けても、最高のパフォーマンスは発揮できません。
人生をより豊かにするためには、

自分は何者か?
どこへ向かいたいのか?
どうやってそこへ向かうのか?

を自分に問い続けながら、時には立ち止まって新しい視点を取り入れたり、心身をメンテナンスして次のステージへ向け力を蓄えることも必要です。
それが望ましいキャリアの「自立」と「自律」だと私は考えます。

それを実現する為にも、海外で注目されているキャリアブレイクという概念は、個人を心身ともに健康的にするだけでなく、ひいては社会構造も健全化していくことができると確信しています。
近い将来、日本の風土に合ったキャリアブレイクという概念が定着することを希望します。






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