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お中元の季節到来!贈り物のマナーを学ぼう!【松原奈緒美さんインタビュー】

今年もお中元の季節がやってきました。
みなさんは、お中元をどうやって贈ればいいのかご存じですか?

贈る時期は?贈り方は?のし紙をつけたほうがいいの?
考え出したら難しいギフトに関するマナーと、私たちがもう一度見直したいマナーについて、マナー講師の松原奈緒美さんをお招きして、お話をお伺いしました!

松原奈緒美さん
株式会社EXSIA 代表取締役 コミュニケーション・マナー講師 これまでの受講者延べ人数は35,000名以上。NPO法人日本サービスマナー協会 ゼネラルマネージャー講師としてプロ講師の育成も行う。 著書「新しい生活様式・働き方対応ビジネスマナー100」新日本法規出版。 メディアでも活躍。テレビ、雑誌、ウェブ媒体などにも多数出演する。

相手の目線を大切にすること。

― 実は今日、お迎えするスタッフ一同、緊張しているんです(笑)。松原さんの前で、知らない間にマナー違反をしていたらどうしようって。

松原:マナー違反を指摘されると、恥ずかしかったり嫌な気持ちになりますよね。マナーは本来、自分が相手への敬意を表現するもので、相手に求めるものではありません。私も研修以外で相手のマナーを指摘することもありません。相手に恥をかかせることは、マナー違反ですから(笑)。

― (笑)。そもそもなんですが、「マナー」って何でしょうか?

松原:マナーと一言で言っても、心の在り方、行動など様々な表現の仕方がありますね。辞書でマナーを調べると礼儀ですとか作法と出てきます。私はマナーは、相手目線・相手起点で行動できることが大事だとお伝えしています。相手の目線に立って、どんなことを望んでいるのかな?どうして欲しいのかな?と、相手の少し先の行動を想像するチカラが、すべてのマナーの基本だと思います。

― 会社ですとか、たくさんの方を前にしたマナーってどう考えればいいですか?

松原:相手がたくさんの方であっても、基本は同じです。ただ、多くの人を相手にする場合こそ、最大公約数の方が良いと感じる、形式的なマナーが役に立つと思いますよ。

― 本質は、相手のことを想像する力なんですね。

松原:皆さん、普段お仕事をされていても「お客さま目線」って大事にされていますよね。なので、すごく特別なことではないんです。マナーの目線は、仕事における目線とすごく近いので、私は「マナー上手は仕事上手」なんて言ったりするんですよ。

日本の贈り物はなぜ多様なの?

― 日本には、お中元やお歳暮など、色々な贈り物文化がありますが、なぜこんなに多様な贈り物文化があるのでしょうか?

松原:例えば、お中元は道教に由来があったり、お歳暮は「御霊祭り」に由来しています。その他も、古くは神様や仏様へのお供えものをする習慣が、そのまま贈る文化に繋がっているのがほとんどですね。現在は、お世話になった方へのお礼など贈り物の習慣へと変わっています。

― なるほど!

松原:元々日本人は、節目をとても大事にする、素晴らしい文化を持っています。ただ、最近は贈り物をしない方が経済的にエコだと考える方も多いですよね。

― どういうことですか?

松原:モノを贈り合うって、双方にお金がかかります。だから、そもそも贈り物をしない方がいいって考えるようです。物質的なモノを贈り合うのに意味がないとお話しされる方もいらっしゃいます。

― 松原さんはどうお考えなのですか?

松原:贈り物は、モノを贈るだけではなく、モノに気持ちが乗っているんですよね。カタチにならないと伝わらない気持ち、モノがなかったら伝えられない気持ちってありませんか?贈り物というのは、本当はこの気持ちを伝えるきっかけなんですよね。

― 確かにそうですね。

松原:贈り物の習慣が無くなることが、いけないことだとは思いません。でも、習慣を無くしてしまって、気持ちのやりとりが希薄化していくというのはもったいないな…とは思います。

贈り物のルールは難しい?

― 贈り物のマナーって、ちゃんとやろうとすると意外と難しいですよね。

松原:地域ごとに色々なルールがあります。実は、関東と関西でも違うんですよ。

【贈り物マナー ポイント その1】
お中元を贈るタイミングは、主に関東関西で異なります。
関東:7月上旬~中旬関西:7月中旬~8月15日まで
お歳暮は、関東・関西ともに12月上旬~12月20日頃まで。

私の出身地でもある愛知県は、関西と関東のルールが地域により混ざっています(笑)。

― へぇ〜!

松原:現在は、迷われたら関東式のルールで贈り合うといいと思いますよ。特にお仕事上の関係でしたら、同地域内でのやり取りでない場合は、そのようにされる方が多くなっています。

【贈り物マナー ポイント その2】
企業間では送り先に合わせるか関東に合わせることが多くなっています。関西の時期に贈る場合は、相手がお盆休みに入ってしまうこともあるので、休みに入る少し前には届くようにしたいものです。企業宛の場合には、会社でシェアすることがほとんどです。わけやすいもの、会社の中で召し上がれるものが適しています。
個包装されている/入り数が多い/賞味期限が長い/保存が容易なもの/どなたにも喜んでいただけるもの
を選んでみてください。

― んー、贈り物のルール、色々ありますね。

松原:ルールがないと、逆に困ってしまいませんか?(笑)。ルールって道標のようなもので、ある程度知っておくだけで、相手に失礼がなく、自分も恥をかかずにすむ、すごく便利で楽なものだと思っています。

【贈り物マナー ポイント その3】
贈る内容は、相手に合わせたものを選びます。ご家族の人数や、お好みなどに合わせて品物は選びたいものです。
また、タブーとされるものもありますので、注意が必要です。
靴、靴下、玄関マット、バスマットなど、「踏みつけるもの」や、「精進しなさいという意味」の文具、「縁が切れる意味」の刃物などは、避けましょう。

― 確かに!ちなみに、海外への贈り物ってどうしたらいいですか?

松原:海外は、国や宗教によって、贈ってはいけないものや時期が違うので、きちんと調べてから贈るようにしたいですね。
日本では、宗教と文化の関係性が現在ではあまりなくなっているので忘れがちですが、多くの国では、宗教をとても大事になさっています。

 ― 禁忌とされている食品もありますもんね。

松原:あとは、一筆添えるといいかもしれません。「日本には、こういう文化があって、それをあなたにも伝えたい」と。きちんと説明すれば、それはかなり特別で素敵なギフトになると思います。

【贈り物マナー ポイント その4】
水引
お中元は何度あってもよいことです。何度あってもよいお祝い事などには「蝶結び(花結び)」の水引を使います。「結び切り」は一度きりがよいことに使うものですので、間違えないようにしましょう。 
のし
生もの以外のギフトには、この熨斗(のし)がつくのが基本です。現在は、のし紙自体に、水引と熨斗が印刷されています。生ものを贈る際には、熨斗がついてないのし紙を選んで付けます。
名前の書き方
贈り主の名前を、フルネームで記載しましょう。会社の場合は、社名を正式名称で記載します。代表者名などを入れる際には必ずフルネームで記載しましょう。

コロナ禍以降のマナーの変化。

 ― コロナ禍以降で贈り物のマナーにも変化がありましたか?

松原:すごく大きな変化があったわけではありませんが、企業へ贈る際は出社状況について配慮するのは大事だと思いますね。出社していなかったので受け取れなかった、というお話もお聞きしますし、食品でしたら、賞味期限の長い物を選んだりするといいかもしれませんね。

― 贈り物に限らず、マナー全般も変わりましたか?

松原:今回に関わらずマナーは時代によって変化するものです。例えば、インターネット黎明期は「メールでやりとりするなんて失礼だ!」という方もいらしたんですよ(笑)。

― 今では信じられませんね(笑)。

松原:近年では、オンラインミーティングも当たり前になったので、事前に背景を整えるですとか、リマインドを送る、オンラインで良い印象を与える方法と言ったオンラインマナーについて、お教えすることが増えてきました。

マナーを大事にすることは、相手と自分を大事にすること。

― 少し広い視点でお聞きしたいのですが、日本のマナーや礼儀作法について、どのようにお考えですか?

松原:例えば、「和装」や「日本食」などの文化ですとか、「畳のヘリを踏まない」というような細やかなマナー、礼儀作法、所作などは、海外から見てもリスペクトされるような素晴らしい文化だと思っています。

― なるほど。

松原:マナーというのは自分のアイデンティティにも関わることなので、もっと大事にすべきだと思うんです。

― どういうことでしょうか?

松原:こんなエピソードがあります。箸の使い方が良くない日本のビジネスマンの方がいたそうです。その方が、海外取引先の方に「あなたは、なぜそんな箸の持ち方をするのですか?自国の文化を大事にしない方と、私たちはどのように信頼関係を築けばいいのでしょう?」と言われてしまったそうです。

― 確かに…。

松原:自国の文化、マナーを大切にすることは、自分自身のアイデンティティを大事にすることでもあります。自分の暮らしてきた場所のマナーを知らないのに、相手のマナーを知り得るはずがありませんよね。

― 本当にそうですね。

松原:先ほどお話ししたように、マナーの本質は、相手を大切に思うことが一番大事ですが、最終的にはそれは自分自身の評価にもつながります。相手が心地よいと思えば、きっとあなたを大事に思ってくださる。相手を大切にすることは、自分自身を大切にすることでもあるんですよね。

― マナーを大事にしない方は、自分自身を大事にしていないのかもしれませんね。

松原:そうかもしれませんね。何より、マナーは学んでおいた方がお得だと思いますよ(笑)。正しいマナーを知った上で、上手にシーンに合わせて引き算をしていくと、きっとマナー上手になれると思いますよ。

ヨックモックとの思い出。

― ヨックモックとの思い出があれば聞かせてください!

松原:最初に食べたのは小学生の頃でした。身近なお菓子ではなかったので、確か家族がギフトで貰ってきたんですよね。初めて食べて「何だこの衝撃的なおいしさは!」と思ったのを覚えています(笑)。

― 嬉しいです!今も当時と同じレシピで作っているんですよ。

松原:実は、これがラングドシャというお菓子だと知って、再現したくてしばらくラングドシャ作りにハマっていたんですよ(笑)。

― 再現できましたか?

松原:シガールのように巻いてみたりもしたんですが、もちろん再現できませんでした(笑)。

― (笑)。

松原:大人になってからは、ギフトとして良く贈り物にしています。個包装になっていますし、量もシーンに合わせやすいので、私の定番ギフトです。贈りやすいし、貰ってもすごく嬉しいお菓子ですよね。大抵、ギフトを買いに行くと、こっそり自分用も買ってしまうんですよね(笑)。

― 本日は、ありがとうございました!

ギフトに限らず、マナー全般について考えるきっかけをいただきました。今年の夏は、マナーを学びつつ、お中元をお贈りしてみてはいかがでしょうか?

【贈り物マナー ポイント その5】
御中元のシーズンを逃してしまった場合には、
~立秋まで:「暑中見舞い」「暑中お伺い」
立秋~8月末まで:「残暑見舞い」または「残暑お伺い」
として出すことができます。目上の方には「お伺い」を使って贈りましょう。
御歳暮の時期を逃してしまった場合には、
年明け~松の内:「御年賀」
松の内明け~立春:「寒中見舞い」「寒中お伺い」
にするとよいでしょう。

■ヨックモックの商品情報、最新情報等、詳しくはこちら
・ホームページ     https://www.yokumoku.co.jp/
・オンラインショップ  https://www.yokumoku.jp/
・公式Instagram      https://www.instagram.com/yokumoku_jp/
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(おわり)


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