祖父と家族と私のこと

今日は、エッセイではなく、日記として残しておきたいと思います。
少し悲しい内容なので、元気がある人、読みたい人だけお読みください。

一昨日朝、珍しく母から出勤前に私宛に電話がかかりました。
普段は同居している妹宛か、メールで連絡をくれる母。
まだギリギリ出勤前だったので、電話をとると、父方の祖父が急逝したとの知らせでした。
前夜に入院し、一時は持ち直し同居していた祖母、叔母が帰宅していた翌朝、息を引き取ったとのこと。誰も看取ることはできなかったけれど、穏やかな最期だったと。
妹はゼミで先に出ており、母との電話を終え、ひとり静かに涙を流しました。
その日の夕方、通夜、葬儀の日取りが決まり、ご時世と私の忙しさへの配慮から、葬儀にだけ参加してほしいと連絡がありました。
突然のことで本当に驚きました。
その日も翌日も仕事は待ってくれず、休日出勤が返上になった分、夜遅くまで働きました。
仕事の間は、繁忙期で納期が近いため必死に職務に当たりますが、帰ってくるとやっぱり悲しくて。そんなとき、私の尊敬してやまない星野源さんの「老夫婦」「グー」「ステップ」に慰めていただきながら枕を濡らしました。

そして今日、妹と斎場に向かいました。
朝苦手な早起きをがんばり、タクシーでJRの駅まで、駅から一時間強電車に揺られ、歩いて15分の斎場へ。
空は気持ちのよい秋晴れ。
タクシーの運転手さんがとてもよい方で、少し緊張が解れました。
到着後すぐに着替えを済ませ、おとき。ご時世的に黙食で。
久しぶりに祖母や親戚に会い、短い間でしたがお話しできました。

家族葬で、親戚も高齢なので本当に少人数でしめやかに執り行われました。
喪主は祖母が務め、なんと開始三十分前に孫代表挨拶を私が務めることになりました。
慌てて文面を考えながら、祖父母との思い出が懐かしく蘇りました。
緊張しながら孫代表挨拶に臨みました。
以下、名前は伏せて掲載します。

***

本日、祖父●●へお別れの言葉を伝えなければならないことを、未だに実感できないでいます。

祖父は、穏やかで、笑顔が素敵な人でした。
私が家へ遊びに行くと、満面の笑みで「●●ちゃん、いらっしゃい」と出迎えてくれました。
私が四歳のとき、妹の出産のため母が入院したので、祖父母に預かっていただきました。
いつも庭でゴルフの素振りをしていたのを覚えています。
祖父、犬のボロちゃん、ココちゃんとのお散歩がとても楽しみでした。

私はこれからもずっと、祖父との大切な思い出を、胸に抱き締めていたいと思います。
おじいちゃん、どうぞ、安らかにお眠りください。

孫代表 ●●

***

私は口下手で人見知りなので、人前で話すのは本当に緊張します。だから、極力こういう役目は受けないのです。長男の長女であるから引き受けてほしい、無理にとは言わないがぜひと親戚に言われました。
私は決めていました。他の誰に言われても受けないけど、父と母がしてほしいと言うなら受けようと。
ふたりに聞いたら、してくれたらうれしいけど、嫌なら無理しないでいいよと。
そう言われたらするしかないな、と引き受けたものの、正直するまでは、ひたすら短い文面を頭の中で復唱していました。本当はいけないかもしれないけど、故人を偲ぶ気持ちには変わりありません。呼ばれて、手も足も震えながら、畳の縁を踏まないようにと前へ進みました。
挨拶の段になり、祖父の写真に向かい、少し言葉に詰まりながらも伝えられたとき、きちんとお別れができたなぁと思いました。引き受けてよかったと思いました。
二年前の母方の祖父のときは、気持ちの整理がつかないままのお別れで、いろんなことがあり、未だに悔いが残っています。
でも今日は、きちんとお別れできました。
母や母方の祖父には当時を振り返り申し訳ないと思うけど、今日父方の祖父とのお別れをしっかりしたことで、母方の祖父との思い出も同時に蘇りました。今日はバタバタしていて伝えられないまま両親と別れたけれど、いつか母にこの気持ちを伝えたいです。
対面し、出棺前にお花を添えながら見た祖父は、安らかな顔をして眠りについていました。
納骨時に、齢九十歳とは思えないほどにしっかりした骨が残っており、直前まで元気だったんだなと思いました。

帰りは、遠回りして父が自宅まで寄って送ってくれました。
お正月ぶりに再会し、久しぶりに四人そろってのドライブは、あっという間だったけれどかけがえのない時間でした。
両親ともにやや老いを感じました。どんなに忙しくても、大事に、後悔しないように接したい、できる恩返しをできるうちにしたいと心から思いました。
こんな状況でなければ、連休に帰れるけど、それも叶わない日々。やっと人数は減ってきたけど、まだ油断ならず気は抜けない。
仕事も忙しく、心を磨り減らし、プライベートの時間を削って苦手なマルチタスクをこなす毎日。
そんな中での今日一日は、悲しい寂しいけれど、大切な一日になりました。祖父が私にくれた、最後の贈り物です。

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