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比喩について

 作詞家の秋元康さんは、よく比喩を用いて説明している印象を受けます。例えば、日常生活で印象的だったことに”付箋”をつけて覚えておくこと、売り出すパッケージ、皿が先にあるのではなく、先に作品、料理ができてからそれにぴったりあう皿、パッケージを選ぶ、などなど。また、彼の作詞作品にも多くの比喩が出てきますね。例えを上げればきりがないですが、「夏の恋はフェードアウト気づかずに消える幻」(乃木坂46「バンドエイド剝がすような別れ方」)はまさに比喩表現ですよね。
 今回は比喩について考えたことを書いてみようと思います。古代ギリシャの哲学者、アリストテレスは著書『詩学』のなかで、比喩表現を使うには、物事の近似性、本質を見抜いていなければ出来ないと述べ、深い洞察力の必要性を示唆しています(『詩学』アリストテレス)。また、抽象的だった話をより解像度の高い、具体的な形の分かりやすいイメージへと持っていく時に比喩は有用な手段になりうると思います。さらには、比喩は文章表現の原点、つまりは何かを描写するために文章を書くのだとすれば、比喩はその目的そのものだと考えられると思います。そして、この意味では文章力を上げるには比喩を考えられる力を磨け、ともいえるかもしれないですね。
 何を伝えたいかわかりづらくなってしまいましたが、比喩の重要性を考えてみたということです。
<参考文献>
・『詩学』 アリストテレス 三浦洋訳 光文社古典新訳文庫 2019/3/8
Amazon公式サイト https://shorturl.at/wDM26
 
 
 


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